第十三話
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ンって呼んで」
「了解しました、テン嬢」
「テンでいいわよ、その呼び方だとあっちみたいだから」
テンはそう言いながら上を指さす。確かに、そっちに聞こえるよな。
「で、『日影の正夢造り』。他にも『夢違い』って呼ばれることもあるから、どっちで覚えてくれても構わないわ。今は八霧高校の二年生」
「えっ……翠緑学園じゃないんですか?」
「前まではそうだったんだけど、八霧に転入したのよ。今はこいつと同じクラス」
まあ、制服翠緑学園のままだしな。そう思うのが普通か。
「……これはまた、お二人とも予想外の大物のようで。私たちでは、逃げることすらできそうにない」
「そっちが何かしてこない限り、こっちは何もしないわよ」
「それはありがたい。私はここ八霧中学にいるロアの中でも最古参となります。何度か名前が変わり、今では『音楽室のコンポッサーズ』と呼ばれております」
「名前が変わるなんてことあるんですか?」
「『世界』がそう認識すれば、名前も自然と変わります。仲間内には絵さんなどと呼ばれていますので、どうぞそのように」
絵さんて、そのまんま……まあでも、うん。そう言うのならそう呼ばせてもらおう。で、最後は……
「あ、えっと……道里 鈴です。カミナパイセンには委員会で一緒になった時からいろいろとお世話になってました。で、えっと……『音楽室のクラリネット』?っていうロアに最近なったみたいです」
「最近っていうと、どれくらい?」
「まだひと月もたってないですねー」
そう言いながら鈴ちゃんは笑ってるけど、そんなはずはない。だって、この音楽室のクラリネットの噂は俺が中学生だった頃にはすでに広まっていたのだ。なら、そのころからすでにロアとして存在したはずじゃないのか?
それと、もう一個。どうしても気になる点がある。
「……パイセン、何か聞きたいことがあるんじゃないですか?」
「まあ、あるんだけどな……」
「やっぱり、そうですよね。……ここに来るまでに、見たんですよね?鈴を」
そう、その通り。俺は見たはずなんだ、友達と楽しそうに話しながら下校する鈴ちゃんを。だから、はっきりと真正面から見るまでは違うはずだという考えが消えなかった。
「そのあたりを説明するにあたって『音楽室のクラリネット』というのがどんなロアなのかを説明しなきゃなんですけど、いいですか?まだどんなロアなのか、ちゃんと理解してない状態での説明になるんですけど」
「……まあ、それを聞いて分かるだけの情報があれば、俺はいいよ」
「テンさんは?」
「んー、まあいいわよ。Dフォンで調べるよりは、本人に聞いた方がいいだろうし」
「それに、何か説明が足りなかったら私も補足する
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