暁 〜小説投稿サイト〜
竜のもうひとつの瞳
第七話
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ふむ、お主が小夜か」

 「は、はい」

 甲斐の虎と名高い武田信玄、あんまりBASARAの世界は詳しくないんだけど、
こうやって目の前にすると威圧感があるなぁ……お茶目なおじいちゃん、って印象じゃないわ。
確か無双と変わらず上杉謙信とのライバル、って設定だったっけ?

 「幸村が迷惑をかけたようですまんな。事情は幸村から聞いておる。
お主の身は幸村に一任したのでな、案ずることなく過ごすが良い」

 「あ、ありがとうございます……」

 いいのか? いいのか、おい。幸村君の推薦だからってサラッと信じちゃって。
いや、でも甲斐の虎のことだから、きっと裏で動いてるんだろう。私の素性を調べに。

 「幸村! 困っている女子を助けるその心意気や良し! お主に一任するゆえ、しっかりと守るのだぞ!!」

 「はっ!! 心得ましてございまする、御屋形様ぁ!!」

 「幸村ぁ!!」

 「御屋形様ぁ!!!」

 「まだまだ声が小さい! 幸村ぁああ!!!!」

 「うぉやかたさばぁあああ!!!!」

 ……出た、BASARA名物。あんまり知らないけどこれは知ってる。
友達が真似してこんなやり取りしてんの見たし。つか、完全に生で見ると煩いなぁ、それに暑苦しいし。
うちは不良の集まりだから、体育会系のノリにはついていけないよ。

 「やれやれ……」

 完全に呆れてる佐助に構うことなく、二人はこの後小一時間ほど叫び続けてました。

 あんなんやっててさぁ、喉潰れないのかなぁ……。



 「ここが、某の館でござる」

 完全にガラガラになった声で、幸村君が自分の屋敷に案内してくれた。
無論、伊達の屋敷ほどではないけど、最近小十郎と折半して建てたばかりの我が家よりかはずっと広い。

 我が家と言えば、小十郎はちゃんと家に帰ってるのかなぁ……一人で寂しがってたりしないかしら。

 ああ、いかん。姉の存在を忘れてた。身内は何も私一人じゃない。半分血の繋がった姉がいるじゃないの。
……いやいや、それ考えたら尚心配だ。あの人は小十郎にトラウマしか与えない。

 「どうなされた?」

 「え、ああ……奥州に残してきた弟がちょっと心配になっちゃって。私がいなくても大丈夫かなぁって。
ちょっと放っておくとご飯食べないで仕事するし、平気で睡眠時間削るし、
逃げてきちゃったから苦労してるんじゃないのかなとか」

 まぁ、あの子もいい大人だし、しっかりしてるから大丈夫だろうけども。
……私が出奔した件で姉上に叱られたりしてなきゃいいけど。あの人の叱る、は生死に関わるからね……。

 「良ければ弟殿もこちらに呼んでも某は一向に」

 「いやいやいや、それは結構です。つか、呼ばなくて良
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ