二重変装(ルパン三世2nd/オリキャラ)
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ある朝の事だ。
高校生の少年――六条道恋也は何とも言い表す事が難しい事態になっていた。
「マジかよ」
肩を落としながら頭を掻き、小さく息を吐く。
この事態は想像していたものではない為、対応ができずただ、目の前の『泥棒』を見つめる。
恋也が右手を挙げると、ベッドがよく映るように置かれていて、尚且つ全身が見えるようになった縦長の鏡の中の泥棒も右手を挙げる。
表情はげんなりとしているが……。
「俺で良かったと言うのかどうかは知らないけど、アイツはどうなっているんだ?」
部屋の中でぽつり、疑問に思ったことを口にし伸びをしてからベッドから起き上がり、部屋から出ようとドアの前まで歩いていく。
部屋から出る事は躊躇われるが、直接本人に会わなければ何も進まないと思い、もう一度息を吐き、ドアノブを回した。
そういえば、夜中まで起きていたなと昨夜の事を思い出しながら裸足で廊下を歩いており、もしかしたら寝ているかも知れないという可能性も考えつつ、目的の部屋の前までやって来る。
一度深呼吸をし、軽く2回ドアをノックしてあまり音を当てないように木製で出来た、現代風とは言えない古風のドアを開く。
今から盗みに入るかのような体勢で部屋の主は、起きているのかと辺りを見て、ベッドに横たわる姿を確認すればゆっくり部屋の中に入る。
――やっぱり、寝てたな……。
はぁ、と溜息と共に、ベッドに近付く。
寝ている部屋の主は完全に『自分』だった。
そこで納得がいく。
自分たちは入れ替わったのだと。
……と廊下から足音が聞こえる。
「おいルパン! 冷蔵庫に入れてあった俺のプリン食っただろ!」
バンッ、と勢いよくドアを開けて次元が入ってくる。
今現在ルパンは恋也で恋也はルパンなので、当然次元は見た目ルパンの恋也に話しかける。
「起きるのはえーな」
「あ、あぁ。まぁ、な」
適当に頷きながらも、プリンを食べたぐらいで怒るのはどうかと思いつつも、恋也が食べた訳ではないので「俺はプリン食ってねぇよ」とルパンの口調で答える。
「で、何でお前さんの布団で寝てんだ? コイツは」
次元が見た目恋也のルパンを見ながら問う。
恋也は暫しどう言い訳するか考えたが、良い言い訳は出てこず「俺が連れて来たんだって、起きたらいつもと違う場所でびっくりするでしょ」と言いのけた。
「そうか。邪魔したな」
次元は片手をヒラヒラとさせながらルパンの部屋を後にした。
――さて、と。
次元が出て行ったのを見送ってから恋也はルパンの部屋を見渡す。
辺りにはワルサーや、ジャケットが散らかっているが、今自分は
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