第二百十話
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第二百十話 ワインとデザート
博士と小田切君はステーキの後はパンも食べた、その時小田切君はソムリエロボットが入れてくれるワインを飲みつつだ。
博士にだ、そのワインについても尋ねた。
「このワインは」
「美味いじゃろう」
「確かあのワインですよね」
「トカイじゃ」
博士はここでも笑った。
「あのワインじゃよ」
「伝説のあのワインですか」
「欧州でも王侯が愛していたな」
「最高級のワインですよね」
「折角のこの戦艦の初出撃じゃ」
それ故にというのだ。
「ワインもじゃ」
「弾まれたんですか」
「よいものを積んでな」
そして、というのである。
「こうして飲んでおるのじゃ」
「凝られてますね」
「ほっほっほ、わしは趣味人じゃからのう」
ワインもまた博士の趣味である。とかく美味いワインが好きだ。
「だからじゃ」
「楽しまれてるんですね」
「そういうことじゃ、それでデザートはな」
「そちらは何ですか?」
「ピーチメルバじゃ」
この料理だというのだ。
「それが出る」
「あのワーグナーの」
「うむ、ローエングリンのな」
このオペラ、そしてこのオペラのヒロインであるエルザを得意とした歌手メルバから名前を取った料理である。
「あれからきたものをじゃ」
「最後に出るんですか」
「そちらも楽しんでもらうぞ」
「わかりました」
「そして食べ終わればな」36
その時はというと。
「いよいよじゃ」
「あの国にまた攻め込んで」
「戦ってじゃ」
「そちらを楽しまれるんですね」
「その前のもう一つの楽しみじゃよ」
今の食事はというのだ。
「だからこそな」
「こうして思いきりですね」
「楽しんでおるのじゃ」
「じゃあワインも飲んで」
「デザートも楽しもうぞ」
「わかりました」
戦いはともかくだ、小田切君はワインとデザートも楽しんだ。トカイは最高の味がしてピーチメルバもだった。
最高の味だった、小田切君は満足して博士と共に艦橋に戻った。
第二百十話 完
2015・2・5
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