§63 若返って見えるもの
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ねぇ。……いつくらいに戻りそう?」
からかうのも飽きたのか、ドニが急に話題を変える。ドニが想像したのは十中八九、護堂の”戦士”だろう。似通っている効果である以上、期間も同様、という推測だ。黎斗も最初はそう思った。----思って、梯子を外された。
「多分戻らない」
「え?」
素っ頓狂な声を上げるドニ。黎斗もあげたい。本当に、あげたい。
「なんとなくわかるんだ。コレは力を奪っているナニカ、がある。それを壊さない限り封印されたまんまだよ。無期限無制限」
最悪の能力だ。おそらく引き金は、紙一重で避けた”ナニカ”だろう。あの時に何か、あった。
「ナニカって?」
「んなもん僕が知りたいわ。多分、直後の津波でどっかに流れてった」
もう回収は絶望的だろう。ダウンジングしようにも手がかりがない。形状すらわからないのだから。
「不慮の事故で壊れる、なんてオチもないだろうし。ブツが壊せない以上、カミサマの方を倒すしかない」
おそらく神の方を倒せばその”ナニカ”も消えるはずだ。
「あいつが復活するまで、しばらく僕は戦力外でベンチ入り、かな」
現状ではまつろわぬ神が降臨したら護堂に丸投げせざるを得ない。すまん護堂、と心の中で彼に詫びる。
「出来るの?」
昏く、纏わりつくようなドニの声。出来ない、と答えたらこちらに興味をなくすか。それとも、危機に瀕すれば戻るかも、と斬りかかってくるか。後者は御免こうむりたい。というかそれなら元凶を狩ってきてくれ。
「出来ないかもしんないけど、やらなきゃね。倒さなきゃ力戻んないし。あ、倒してくれてもいいよ?」
瞬間、ドニの纏う空気が霧散する。
「……黎斗ってさ。こだわらないよね。普通だったら”ヤツは俺の獲物だ!!”くらい言うんじゃない?」
「いや、んなこと言われても、ねぇ。出来れば自分でけじめつけたいけど、多分勝てないし。戦術的撤退、みたいな?」
多分ここら辺がカンピオーネらしくない、と言われる所以なのだろうな、と苦笑する。
「まーさ、お手数おかけしますが見つけ次第討伐ヨロシクオネガイシマス。翠蓮にも言っとく」
羅濠教主とドニに頼んでおけば、まず間違いあるまい。他のカンピオーネと違って条件を突き付けてこなさそうだ。
「了解。特殊クエスト発生ってワケだ」
そう言って剣の王はニヤリと笑った。
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