12話 「生命を取り落す時」
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そして――クロエと彼の銀刀はその想像を絶する衝撃波と共にかかった負荷に耐えた。
俺自身もそれに耐えた。むしろ、そのまま押し切って叩き斬るという絶対的な意思を込めて前へ押し込もうとした。
――だが、俺の剣は耐えられなかった。
クロエの必殺の一撃の衝撃に拮抗したのはほんの一瞬のこと。
直後、俺の段平剣は、根元からみしみしと亀裂が入り、驚くほどにあっけなく砕けた。
「……………」
「―――――」
クロエは一言も言葉を発さず、その殺意のままに俺の首へ刃を滑らせる。
俺は、ほぼ無意識にテレポットから細剣を取出し、カウンターの要領でクロエに放った。
魔物の脳天さえ一撃で刺し貫く超速の刺突が、クロエの喉元に命中した。
命中したのだ。
なのに、なぜ。
刃は、クロエの喉に振れた時点で完全に停止していた。
頭が一瞬真っ白になる。そんな俺の耳に届いたのは、クロエの冷酷な声。
「宣言通り首は貰ったぞ。血みどろ騎士」
すらり、と首元を冷たい何かが駆け抜けた。
その瞬間、俺は確かに自分の身体からそっ首が斬り飛ばされる感触を認識した。
「あ、が……ッ」
何が起きた。その言葉は、首ごと喉が裂かれたせいで言葉には出来なかった。
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