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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第16話 「天才」
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ではすまない。
爆発と轟音。
生じた大量の煙によってユウキの姿が確認できなくなる。エリア内に終了の表示がされないことから、戦闘不能にはなっていない。だが大規模な爆発だっただけに、彼女が負ったダメージはかなりのものなのだろう。
『……最後まで諦めたりしない!』
煙を突き破るように現れたユウキの騎士服は、誰から見てもボロボロとしか言えない状態だった。しかし、彼女の瞳には鋭い気迫が宿ったままだ。
先ほどの一撃で魔力を大きく消費したのか、女忍者は投擲できているのはクナイ状の魔力弾だけだ。だがそれではユウキを止めることはできない。
女忍者は逃げようとする素振りも見せるが、ユウキはほぼトップスピードに乗っている。勝負を決めようと大攻撃をしたせいで一時的に速度がゼロになっていた彼女では、今から加速して逃げ切ることは不可能だろう。
『やあっ!』
女忍者の眼前に迫ったユウキは、気合を発しながら愛剣を雷のような速度で振るう。圧倒的な速度で襲い掛かってくる刃を女忍者も防ぎきることはできず、ついに体勢を崩されてしまった。
そのチャンスを逃すことなく、ユウキは通常攻撃を連続で放ち……そして。
『これで決める!』
バックモーションの少ない垂直斬りから上下のコンビネーション、最上段から決めの一撃を放った。高速4連撃《バーチカル・フォース》。
絶え間ない斬撃の嵐を受けた女忍者は、静かに空から消えて行った。ユウキが勝利し、デュエルが終了したのだ。
……マジかよ。
ユウキのセンスは誰よりも知っている。でもだからといって通り名を持つデュエリスト相手に初プレイで勝利できるなんて思っていなかった。彼女の才能を俺は侮っていたのだ。
「ショウ、勝ったよ!」
小走りでやってきたユウキは笑みを浮かべながらVサインをした。そんな彼女を見た俺の胸中には、呆れの混じった驚愕と、強敵の出現による歓喜があった。
俺はユウキに近づくと、微妙な笑みを浮かべながら彼女の頭を何度か軽く叩いた。
「まったく……お前を見てると、一緒のゲームはやりたくなくなるな」
「えぇー!? 僕は他の誰よりもショウと戦いたいのに。やめたら絶交するからね!」
「やめるかよ。昔から思ってたんだ、お前に勝ちたいって。それに俺のことをライバルだって思ってくれている奴もいるし、何より他のゲームはまだしもこのゲームに限っては誰にも負けたくない」
スピードレーシングやスカイドッジでは小学生達に負けてしまっているわけなのだが、あくまであれはおまけや人数合わせで参加したようなものだ。正式に俺に対して挑まれたなら負けるような戦いをするつもりはない。
「はは、ショウがそういうこと言ってくれるのは初めてだね。すっごく嬉しいよ。でも僕は、誰よりもショウに勝
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