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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第16話 「天才」
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を持つほどのデュエリストが考えもなしに攻撃を続けるとは思えないのだから。
『逃げてばかりじゃ勝てないよね』
ユウキの口元がわずかばかりだが動いた気がした。何を言ったのかまでは分からなかったが、彼女の行動には内に秘められている思考が顕著に現れていた。
彼女は急停止を掛けたかと思うと、左腰にあった剣に右手を伸ばす。振り向くのと同時に抜剣し、飛来していた最前に魔力弾を迎撃――いや《斬った》。返した剣で2発目を斬り捨てると、流れるような剣技で全ての魔力弾を無力化した。
発生した煙によってユウキの姿が隠れるが、偶然にも突風が吹いたのか一瞬で煙は霧散する。同時に現れた彼女の顔は笑っている。女忍者に対する恐れを微塵も感じさせない不敵な顔だ。
ユウキは不敵な笑みを崩すことなく、黒曜石のような色合いの剣の先端を女忍者に向けながら口を開いた。
『お姉さん、今度は僕から行くよ!』
言い終わるのと同時に、ユウキは女忍者に向かって飛翔する。女忍者はクナイ状の魔力弾を放つが、それは稲妻のような速度で煌く剣によって粉砕されてしまう。通常の魔力弾ではユウキを止めることは不可能だろう。
『ならば……!』
女忍者は左手でクナイ状の魔力弾を放った後、右手で腰にあった刀を引き抜き、鎖鎌のような形態に変化させる。魔力弾の迎撃に意識を裂かれたユウキは、それに一瞬気づくのが遅れてしまい、気が付いたときには鎖が彼女の周囲を円を描くように飛び回っていた。
『ぐっ……』
急激な方向転換で回避しようとしたユウキだったが、鎖のほうが早く彼女の左腕を捕らえた。直後、女忍者は追撃を加えようと左手に魔力を集め巨大な手裏剣を生成する。
『沈め!』
投擲された巨大な手裏剣は、回転を強めながらユウキへと向かっていく。当然ユウキは回避しようとするが、左腕を捕縛されているため大した行動ができない。手裏剣にもホーミング機能が付加されているらしく、回避することは絶望的に思える。だが――ユウキの目は死んではいない。
『僕は絶対に……!』
ユウキは両足を大きく開きながら右腕を肩の高さで引き絞る。黒曜石のような刀身に魔力が集束され、徐々に紅蓮の炎へと変化。それを飛来する手裏剣に向けて撃ち出す。雷のような速度のせいか、赤い稲妻が疾ったかのように見えた。
彼女が放った技は《ブレイズストライク》。俺が愛用する単発重撃技であり、餞別として俺が彼女に渡しておいたスキルカードだ。強固な防御力を誇る敵にだろうと有効なダメージを与える技であるだけに、手裏剣を粉砕することは可能だろう。
だがしかし、敵が放っていた手裏剣にもそれなりの魔力が込められている。強力な魔法のぶつかり合いは、必然的にそれ相応の爆発を引き起こすものだ。目の前で爆発が起こるユウキは無傷
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