暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第16話 「天才」
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われるので助けに入るのは不可能だ。そもそもシミュレーターが埋まってしまっている。

『ん、お姉さんが僕の相手?』
『……そう』
『そっか。にしてもお姉さん、凄い格好してるね』

 ユウキの言葉に忍者の頬が真っ赤に染まる。どうやら本人も気にしているというか、人並みの羞恥心は持っているらしい。ただアバターとの出会いは運命のようなものなのでどうすることもできない。
 馬鹿……お前は自分には似合いそうにないって意味で言ってるのかもしれないけどな。スタイルが良い人間ってのは、意外と自分のスタイルにコンプレックスがあったりするんだぞ。知り合いの乳魔人さんとかわがままボディさんがそうだし。
 ユウキの言葉は、おそらく火に油を注いだようなものだろう。彼女はこれまで数多のゲームをやってきたため、ここで負けたからといってブレイブデュエルをやめたりはしないだろうが……今の俺にできることは見守ることだけか。ひどく負けたならば、慰めるくらいのことはしてやろう。

『えっと、お姉さんを倒せば僕の勝ちになるんだよね?』
『そう……勝てたらだけど!』

 忍者はクナイのような魔力弾を出現させたかと思うと、ユウキ目掛けて投擲した。ユウキは持ち前の常人離れした反応速度で回避したものの、まだ上手く飛べないため宙を転げるように移動していく。

『うわぁ、びっくり……って、ちょっ!?』

 敵を倒すことがルールの単純なデュエルであるため、連続で攻撃を仕掛ける忍者の行動は咎められるはずがない。ただ彼女は、ユウキが不恰好ながらも攻撃を避け続けているせいか少し苛立っているように見える。

『えっと……確か移動は飛びたい方向に意識を集中だっけ!』

 ユウキの背中に半透明な黒い羽が生えたかと思うと、これまでの転がるような回避と一変して高速移動で避け始める。強張っていた顔が笑みに変わっていっているあたり、今の状況さえ楽しんでいるらしい。
 ユウキの最も優れた才能は、どんな状況でさえも楽しむことができることかもしれないな。
 スクリーンで見ていても、圧倒的な速度でユウキの技術は上昇していっているのが分かる。おそらく相対している少女は、彼女の異常と言えそうな成長速度に恐怖を覚えていることだろう。故に――

『なら……これで!』

 ――これまで以上に攻撃を加えるのも必然とも言える。
 女忍者は両手にクナイ状の魔力弾を持ち、微かな時間差を付けて投擲する。ユウキはすぐさま回避行動を起こすが、これまでのクナイとは違って追跡を行っている。
 飛び続けるユウキは魔力を消費し続けるし、ホーミングする魔力弾を維持する女忍者も魔力は消費する。消費している魔力で言えば、攻撃していた女忍者のほうが上だろうが、あれは保有魔力が優れているからこそ取れた行動ではないだろうか。通り名
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