第6章 流されて異界
第112話 失点
[8/8]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
るランナーが盗塁に要する時間は4秒足らず。流石に高校一年ではそれほど速いとも思えないけど、それでもハルヒの投じた球が有希のミットに届くまでには1秒ちょい掛かるはず。但し、相手がギャンブルスタートを切って居るので、有希が取ってから投げるまでの間が2秒より余計に掛かればアウトにするのは難しい。
俺が動かない身体を無理矢理に二塁ベースに到達させた瞬間、凄まじいまでの勢い。周りに衝撃波を放ちながら接近して来た物体が、差し出されたグローブへと跳び込んで来る。
――って、音速の壁を破って居るぞ、この送球は!
一般人の目からすると有希が捕ってから投げるまでの一連の動作すら確認する事が出来なかったはず。まして、朝倉さんでは、彼女が二塁に到達する前にボールが抜けて、何処か遙か遠い場所まで転がって居たでしょう。もっとも、到達していても彼女のグローブでは腕ごと持って行かれる事は間違いないのですが。
ライフル銃から撃ち出される弾丸のスピードが音速を超えるはずですが、それを、人間程度の強度を持った手に、一般的な野球で使用するグローブをはめた状態で掴めるか、と問われると、素直に無理、と答えますから。
凄まじいまでの勢い。ただ、ボール自体は精霊の加護を与えてあるのか、少なくとも燃え出すような状態ではない、通常の硬式球の状態で俺のグラブに収まる。その瞬間に、すべり込んで来たランナーと俺のグラブが接触。
間違いない。これはアウト!
しかし――
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ