第19話〜蒼穹の大地〜
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」
話を聞かされた時はおとぎ話だと考えていたが、こんな形でその大自然を訪れるとは夢にも思っていなかった。
「さて、まずは実家に案内しよう。長老などには改めて紹介するとして・・・」
初めて訪れる地に色々と思うことはあったが、ガイウスが言うように、まずは彼のご両親へ」挨拶をしに行ったほうがよさそうだ。そう思い、彼を筆頭にして一同が目的地へ向かおうとした時、「あんちゃあああん!」と言う少女の大きな声が聞こえてきた。
「わぁ・・・!」
「か、可愛いっ・・・!」
その声は段々と大きくなり、ガイウスの姿を見るや否や彼に抱きつく。三歳ぐらいの幼い少女のようだ。それを抱きとめるガイウスを見つめているのは、彼よりも小柄な少年と、少年と年があまり離れていなさそうな少女。
「あんちゃん!ガイウスあんちゃん!」
「ガイウスお兄ちゃん!お帰りなさいっ・・・!」
「ただいま。リリ、シーダ。トーマも元気そうだな」
「へへ、あんちゃんこそ・・・おかえり、ガイウスあんちゃん」
「ああ、ただいまだ」
あらかじめ家族には手紙で知らせていたのだろうが、彼らは兄の帰りを待ちきれなかったのだろう。随分と慕われているようで、眼前の光景は一人っ子には目の毒かもしれない。ガイウスの弟であるトーマと呼ばれていた少年が挨拶してくれる。その中性的な顔はエリオットに少し似ているように見えた。先ほど真っ先に駆けつけた幼いリリとその隣に立つシーダがガイウスの妹とのことだ。
「は、初めまして・・・」
「あんちゃんのお友だち〜?」
「うん、初めまして。俺はケインだ」
土地の位置などの問題で帝国人の来訪者は珍しいのか、ケイン達に好奇の目を向けてくるトーマとリリ。一方で、シーダは緊張しているようだ。初対面だから無理も無い。
ケインはそんな彼女を安心させるように微笑を浮かべ、なるべく穏やかな声音で自己紹介する。ガイウス以外のメンバーも自分の名前を言い、全員の自己紹介が終わったところで、落ち着いた男性の声がした。学院長と同じく2アージュに迫ろうかというほど背が高い。その隣にいる綺麗な女性はガイウスの姉、だろうか。
「父さん、母さん。ただいま戻りました」
「ふふ、お帰りなさい・・・皆さんも初めましてガイウスの母、ファトマです」
「「お、お母さん!?」」
「全然見えませんね・・・」
「ふふっ、お上手ね」
彼女の端正な顔立ちは老いを全く感じさせない若々しさがあり、ケインはアリサと同時に驚きの声を上げてしまった。
「ガイウスの父、ラカンだ。よろしく頼む、士官学院の諸君」
「はい、こちらこそ」
「よろしくお願いします、ラカンさん」
軽くではあったが一応の挨拶を済ませ、ラカンの提案で客人
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