第2話 摩天楼の熱線
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は、右脚を掠めただけに留まった。
「そんな………??」
必中の一撃を避けられたことに思考が停止してしまう。その隙を突かれるようにしてガイアの左前脚ーーー左腕を撃ち抜かれ、盛大に爆散する。
「きゃっ………??」
胴体を支える脚を破壊されたことで、踏ん張りが利かずにビルから落ちてしまう。
何とかMS形態に戻り、姿勢を立て直す。しかし、かなりの隙を晒していたというのに一つの攻撃も来なかった。
「………?」
「まだやるか?」
ビルの上に立つエアマスターから通信が入る。氷雨にそんなつもりは無かったのだが、早希は馬鹿にされたのだと思い、眉をひくつかせる。
「まだ左腕を失っただけ。こっから逆転してみせる??」
「いいぜ。来な??」
ガイアが振りかぶったビームサーベルを、腰に隠していたビームダガーで受け流す。
互いにバルカンで牽制し、同時に距離をとる。
「久し振りに楽しいガンプラバトルだ」
「あら、まだ続くのに余裕有るわね」
二人は思わず笑ってしまい、再びぶつかり合っていった。
▽
「早希意外とやるもんだなぁ………」
原沢(父)は娘の健闘に感心しながらモニターを眺めていた。
氷雨は本気を出しておらず、エアマスターは無傷であるとはいえ、世界選手権レベルのプレイヤーを瞬殺する可能性すら秘めた彼と五分も戦い続けているのだ。
(これはいつか抜かれてしまうかもなぁ………)
そんな事を思いつつ、ふと隣に居たはずの主がいないことに気がつく。
「………しまった。あのお方が我慢できるわけが無かったか………!」
慌てて部屋から飛び出し、応接間へと向かった。
▽
ビルの瓦礫の上で、勝負は決まっていた。
「あー、全然当たらなかったー」
「いや、かなりひやひやした攻撃が幾つかあったよ。強いんだな」
エアマスターは両腕を失ったガイアに銃口を突き付けている。激しい戦闘であったにも関わらず、目立った損傷は見当たらない。
「ふう。結局、まだ来てないのか?」
取り敢えずは戦ったものの、まだ依頼人は到着していないのだろうか。ライフルを押し付けている状態を止め、一息つこうとしたその瞬間、
(来るぞ氷雨! 避けろ??)
「っ???」
頭の中で響いた声に反応して操縦コンソールを振り上げる。突然の上昇に機体が軋むが、システムアラートの警告よりも早く回避行動を取ったお陰で最悪の事態は免れる。
ゴウッッ??!
先程までエアマスターがいた空間を、極太の熱線が貫く。避けきれなかった左脚が爆散し、バランスを崩して転倒してしまった。
「アレは………!!」
損傷によるアラートが鳴り響く中、相手の姿をモニターで確認
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