脱走
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ぐさま機体を操作し、狙撃モードを起動せず、もう一度同じ場所へと向け撃った。
ギラ・ドーガの爆発光が消える頃には、新しい爆発光が見えた。
「やったか………?」
思わず口に出したその瞬間、背後から凄まじい衝撃がカペルと番外個体に襲い掛かった。
後ろを振り向けば、そこには通常のモビルスーツより大きく、見方を変えればモビルアーマーとも思えなくはない赤い巨人、サザビーが立っていた。
「シャアか!!」
「その通りだ、カペル中尉!!」
だが、なぜ?今の爆発光は一体?サザビーの背部が見えた。
標準装備であるはずのプロペラントタンクがない。
(プロペラントタンクを切り離して………!)
シャアは絶妙すぎるタイミングでプロペラントタンクを切り離し、それにビームを命中させたのだ。
(馬鹿げてやがる………ッ!!)
ビームアックスが振りかざされ、ハイパー・メガ・ビームサーベルで受け止める。
「大佐!なんであなたはあんな計画を!!あれじゃあ、誰も救えんでしょうが!」
剣戟が始まる中、サザビーが左腕のライフルで撃ち抜こうとビームを発射してくる。
「地球に巣食う腐ったウジ虫どもをどうにかしなければ、真の平和は訪れん!誰かが人柱になって実行しなければいけないのだよカペル中尉!」
ビーム同士が弾き合い、サザビーはコクピットに向けて蹴りをくりだし、その反動を利用して後退した。だがそれは、背部にある武装を解き放つためのものでしかなかった。
「ファンネル!!」
自動砲台が次々にこちらに向けてビームを撃ってくる。シールドに搭載されたドーベン・ウルフのメガランチャーを展開し、薙ぐようにしてファンネルを焼きはらったその時、サザビーがビームアックスをぶつけてきた。
ビームコーティングが辛うじてビームを弾いていたが、すぐに装甲をバターのように溶断し始めた。
騒々しい警告音が周囲に響き、俺の焦りを加速させた。
「っ、やめて!!シャア・アズナブル、私はあなたに従います。だから、彼を・・・・・・!!」
番外個体が叫んだ。シャアもそれを叫んで返した。
「女が男の戦いに入ってくるな!!」
番外個体の思念が押し返されたのを感じた。カペルの怒りは頂点に達した。
「俺に応えろよ、フェンリル!!」
機体が動いた。フェンリルはコクピット周りに埋め込まれたサイコフレームから水色の燐光を噴出させた。
せり出してきたサブモニターに、そのシステム名が表示された。
《HADES》
リミッターをかけなければいけないそのシステムのリミッターを解除し、機体はさらに水色の光をその身に宿し、強めた。
「行くぞ、シャア!!」
機体を動かす
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