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宇宙世紀UC外伝 もう一つのUC計画
脱走
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ってろよ、番外個体!!」

 フェンリルのおかしいところはメインジェネレーターを合わせて、機体に搭載されたジェネレーター数は実に5個という点にある。アナハイムの方から譲り受けたZ計画の中の一機。その設計データを流用しているらしい。

 両肩の増加装甲の中、両足の脛。そしてメインジェネレーター。その全てがこの機体を怪物に変貌させている。

 乗り手のことなど考えてもいない事が丸わかりなその圧倒的出力。全天周囲モニターにバイオセンサー。

「来るか………!!」

 機体を操作して後ろを向かせる。ギラ・ドーガが前方に二機。後方のはるか遠くに一機。合計三機やってきた。

 一機がビームマシンガンとシュツルムファウストを撃ってくる。機体を操作する。

 着弾すれすれでそれを避け、もう一機を睨んだ。その機体はクラッカーらしきを物投げる。

 バルカンでそれを撃つと、たちまちスモークが広がった。相手のビームアックスらしきものが、二機同時に煌めかせた。

「なめんなぁっ!!」

 機体を強制的に上昇させ、煙を振り切る。それと同時に遠方からビームが飛来してライフルを焼いた。

「こなくそオオおおおお!!」

 上昇すると巨大なデブリが画面に現れた。下のギラドーガ二機は、こちらに追いつこうとスラスターを吹かせている。

(今なら!!)

 さらに速度を上げる。パイロットスーツがないため驚異的なGがそのまま体に掛かる。
 歯を食いしばる。こめかみからの血が溢れ、目の前が真っ赤に染まる。デブリがすぐ正面に見えた。

「でえええええええええ!!」

 姿勢制御のブースターを吹かして縦に機体を回転させ、デブリの背後へ回り、機体正面をデブリに向かせた。

 突然の姿勢制御は難しかったらしく、ギラ・ドーガたちはデブリにぶつかってくれたようだ。

「セイッ!!」

 掛け声とともにデブリへと蹴りを放つ。そしてシールドを投げ捨て、腰部に配置されたハイパー・メガ・ビームサーベルを二刀抜き放ち、デブリごとギラ・ドーガを蹴り抜くと共にビームサーベルで真っ二つにした。

 残るは遠距離装備のギラドーガのみ。背部からビーム・スマートガンを抜き、脛のジェネレーターと結合させ、狙撃体勢をとる。

「いけるか………?」

 ロックオンが完了し、ギラ・ドーガの姿が鮮明に見えた。

「狙い撃つぜぇっ!!」

 ビームが収縮され、高エネルギーの弾丸としてギラ・ドーガに向かった。果てから爆発光が見え、安心したその瞬間だった。

 凄まじいまでのプレッシャーがこちらに向けられているのがわかった。視界が自分の血で真っ赤に染まる中、血を拭えば赤い機影が爆発光の中から見えた。


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 カペルはす
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