脱走
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室内から出ていく。それを少し見てタイミングを見計らい、カペルはチラリと番外個体を見た。自身には夢があると言う強化人間を見た。
「すまないな。急用ができちまった。これから大佐のとこに行ってくる。・・・・・・また、後でな」
このタイミングと番外個体が言っていた大佐・・・・・・シャア・アズナブルの計画とは一体、なんなのだろう?頭の中でそれを考え続けながら、カペルは番外個体の部屋を後にした。
カペルside
番外個体の部屋から大佐の部屋は意外なほど近い。大佐は番外個体が望んだものを全て買い与えていると言う。あのタペストリーもそれだろう。どうでもいいことを考え、ナナイの背中を急いで追いかけると、すぐに大佐の部屋に着いた。
「大佐ぁ、失礼しますよ。御用とはなんでしょうか?」
適当に敬礼すると大佐は笑って堅苦しいのはいいと言ったので、俺は素直にその言葉に甘えることにした。ナナイは気に入らなかったのか呆れたような目でこっちを見る。
「で、話ってのは?」
大佐はその顔に微笑を作り、こちらを見つめた。凄まじいプレッシャーがこちらに向けて放たれている。なんでこっちに向けられてるのかはわからなかったが、ナナイは飄々とした顔をしていることから、どうやら俺一人に向けられているようだ。
「・・・・・・大佐」
「なんだね?カペル中尉」
「俺なんか悪いことしました?プレッシャーがキツいんですけど」
大佐はすぐにプレッシャーをとくと、こちらに褒め言葉を送ってきた。
「さすがだな、墓守。その腕、鈍っていないようだ」
その顔を見て一気に力が抜けた。真面目に殺されるかと思うレベルのプレッシャーだった。口調を一年戦争当時のものに戻して赤い彗星に言った。
「勘弁してくださいよ、赤い彗星。今はあの頃ほどの腕を持っちゃいません」
「そうかな・・・・・・?シュミレータとは言え、君は唯一私を墜とした男だ。彼奴のように・・・・・・」
途端にその顔が強張った。その顔は誰かを待っているように見えた。それは、ジオンの軍人なら誰でも知っている男だろう。優勢だったジオン軍の流れを、たった一機のモビルスーツが悲劇の流れに変えてしまった。
連邦の白い悪魔と呼ばれたモビルスーツ『ガンダム』と当時十六歳だった、現在は連邦の主力部隊ロンド・ベルで白き流星の異名を持つパイロット、アムロ・レイ。赤い彗星は一年戦争の頃よりその決着を望んできた。
「すまなかったな。話を戻そう。これから君に話すことは機密事項だ。外部には漏らさないことを約束してくれるね?」
「え、ええ・・・・・・」
いつになく真剣な大佐の顔に、俺は少したじろいだ。大佐が話を開始した。地球に縛られたア
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