第四十六話
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いれば実力順で優先にしたりはしたけど、出来る限り皆の希望に合うように頑張ったつもり。どうしても参加してほしい人には、直談判したりもした。それは全部、楽しんでほしかったから。
「だって、どこまで行ってもこれは高校のイベントなんだもの。学校間でのポイント争いもあるけど、そのために本人の意思を曲げちゃ、意味がないとも思う。けど、他の学校では普通にそうしてるから、私たちもした方がいいのかなって・・・」
「でも、伊空はそうしたくないんだろ?だったら、そうすればいい」
また寺西君は、あっさりと言ってくれる・・・
「その心は?」
「簡単なことだ。こと呪術や妖術の類においては、本人のやりたいことをやらせるのが一番いい結果になる」
それは、確かによく聞くことよね。『呪術を左右する最大の要素は心である』って。でも、あんまり支持されてないことだったと思う。
「それ、確かなのかしら?」
「確かだよ。・・・心のありよう、感情の起伏は、呪術に対して大きく影響する」
そう言う寺西君はどこか遠いところを視てる目だったけど、詳細を聞くのはタブー。それも、名を失ってる彼に聞くのは本当にやっちゃだめなことだもの。
「それに、そうじゃないなら奥義の継承はどうなるんだ?あれには実力のほかにも、強い感情が要るものだろ?」
「・・・言われてみれば、確かにそのとおりね」
「それと同じように、呪術そのものも何か強い感情があればその威力を増す。楽しいって感情があった方がいいのは間違いないだろ」
言われているとそんな気がしてくるけど、何か隠しているような気もする。彼ってよく分からないのよね・・・土御門さんと雪姫さんがどうして同じ家で暮らして入れるのかちょっと不思議に思えてきた。彼との会話に何かコツがあるなら、今度聞いておこうかしら。
「まあそういうことだから、俺はこのままの方針でいいと思うぞ。所詮はただの高校生活の一イベントだ。せいぜい楽しめばいいんだよ」
「そう・・・ね。そうしましょうか」
「おう、そうしとけそうしとけ。せっかく明日の準備が終わったのに、種目が変わったら超困るしな!」
あ、こいつそれが一番の目的か。ものすごい満面の笑みだし。
でも・・・ちょっとだまされた気がしてくるけど、いっか。悔しいけど、納得しちゃったのよね。
スッキリしたところで資料をかばんにしまいながら、これからどうするのかを考える。明日からはもう試合が始まるし、早く寝た方がいいんだけどねぇ・・・ついでだし。
「あの、一つ相談が」
「奥義のことなら、あと一歩何かあれば完全になると思うぞ」
「・・・・・・え?」
え、あれ?なんで?
なんで寺西君、私の悩みを当てられてるの?
「なんで分かったのかと聞かれたら、まあ学校での練
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