Life10 聖書の子らの新たなる道 −禍の団、強襲−
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つつ後方に引いたものの、指先が掠ったのか彼女に予想外のダメージを負わせる。
ごほっ。
ほんの少し掠っただけで彼女の内臓にダメージが行ったのか、少し吐血するゼノヴィア。
「大丈夫?」
「げほごほ・・・ああ、何とかだが」
息を整えながら自身を落ち着かせるゼノヴィア。
「ハハハハハ!圧政者の走狗よ、私はその程度では蹂躙できぬぞ!」
今も直笑ってくる巨漢に、先程とは比べらること自体烏滸がましい程の恐怖を感じたゼノヴィア。
祐斗に支えられながら、ある言葉をバーサーカーに向けて解き放った。
「私を・・・・・・私を押し倒していいのは、士郎さんだけだぁぁぁあああああああああ!!」
『・・・・・・・・・・・・・・・は!?』
何をトチ狂ったのか、そんな言葉を大声で叫ぶ始末。
これには、理解できなかったのかバーサーカーの進軍が止まり、辺りの視線を今度はゼノヴィアが独占した。
相当な大声であった故、ほぼ全員が聞こえていたが士郎だけは何故か可笑しなことになっていた。
(「私を押し倒したいのなら新郎姿になれ」って、何を言っているんだ?)
敵味方問わずほぼ全員聞こえていた上に、眼ほどでは無いが耳も良かったはずの士郎は運命の悪戯なのか、アホな聞き間違いを1人だけしていた。
だがそんな士郎は置いて行かれ、ゼノヴィアはさらに続ける。
「いや、寧ろ押し倒されたい!「ちょ!?ゼノヴィア、何言って」だがそれは無理だ!士郎さんはあまりに鈍感すぎる!!家では無理だ、イリヤさんの厳しいチェックの目が有る。クソッ!もはや私には主のご加護を受けられないと言うのか!!この畜生風情が!私を押し倒していい道理なぞ、何所にも有りはしない!」
ゼノヴィアのあまりにも可笑しいカミングアウトに、職員会議室に残っている一人の導師ルオリアは頭を捻りながらミカエルに聞く。
「彼女――――ゼノヴィア君と言いましたね?あのように公共の場でも、あんなことを口走る娘だったのですか?」
聞かれたミカエルは頭痛でも起きたのか、片手で頭を押さえながら答える。
「そんなはずは無かったと思うんですが、サーゼクス。人が悪魔に転生した場合、おかしくなるものですか?」
「絶対では無いが有ると思う。しかし、彼女と初めて会った時の印象からして、そんな娘では無いように思えたんだけどね」
職員会議室に残っている各主要人は、ゼノヴィアのカミングアウトにそれぞれの反応をする。
そして、そんな理性が弾け飛んだような言葉を受けたバーサーカーは・・・。
「フハハハハハハハハハハハ!何時の世も圧政者の走狗は、我らに理解しかねる事を言うものだ。それに私を畜生と呼ぶ貴様は正しく、圧政者の狗よ!
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