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英雄は誰がために立つ
Life10 聖書の子らの新たなる道 −禍の団、強襲−
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を有利に持って往っていった。

 更には、先の幻想殺しの広範囲攻撃により、敵の数も減った事にもあるだろう。
 攻撃のあまりの威力と、その後に出来たクレーターにはトンデモナク驚いた事だが。

 そんな優勢の最中に、ゼノヴィアと祐斗の2人の前に魔法陣が浮かび上がると同時に巨大な“何か”が、辺りを埋め尽くす煙と共にマナを溢れ返させながら召喚された。

 ズンッッ!!

 この衝撃により敵味方問わず、ほぼ全員の視線を独占した。
 そしてただ一人だけ、この状況を利用する者が現れた。

 『Divide(ディバイド)

 白龍皇の宝玉から音声が聞こえると同時に、チャッカリ自分の足元まで流れてきたマナの残滓に触れて、半減吸収した上で回復に使ったヴァ―リだった。

 「これで少、がはっ!?」
 『意外と姑息だな、白龍皇』

 回復した瞬間に、幻想殺しからよりよく気が練り込まれた蹴りを喰らい、堪らずに軽く吹き飛ぶヴァ―リ。二転三転バウンドしてから倒れ込んだ。

 それを見送ってから少し視線をゼノヴィアたちに送ると、煙が晴れていき現れる存在に眼を剥いた。
 一目見て分かる。あれは・・・。


 −Interlude−


 ゼノヴィアと祐斗の前の煙が晴れた。
 そこには青白い肌に汚れた金髪、全身に拘束具を纏った巨漢だった。

 「な、何?」
 「人間?」

 少し離れた地点に居る朱乃と小猫は、困惑の色が深かった。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 その巨漢は、無言で周りを見渡すと状況を理解した。但しこの存在の勝手な判断力により。

 「何とも痛ましい・・・・・・状況はレジスタンス(我ら)が劣勢、そして優勢なのはやはり圧政者の走狗達か。何時の世も弱者は一方的に虐げられるものだな」

 言葉だけ見れば、何とも悲しそうに呟いている巨漢。
 しかし、彼の瞳には喜悦と狂気、体は闘気に満ち溢れていた。

 「だがしかし、それもこれまで!――――さあ、圧政者よ。傲慢が潰え、強者の驕りが蹴散らされる刻が来たぞ!」

 その存在感を露わにしながら大声を辺りに響かせる巨漢、バーサーカーは嬉々として吠えた。

 そんな存在を目の前に、根源的恐怖に襲われた上で性格が災いしたのか、無策のまま突っ込むゼノヴィア。

 「ちょ!?ゼノヴィア!」

 祐斗からの制止も振り切り、バーサーカーに斬りかかる。
 しかし、それをバーサーカーは左腕で受けた。

 「な!?斬れないだ、とっっ!?」

 自分の腕にそれなりの実力と自信を持っていたゼノヴィアは、この事に驚くが事態がそれを長続きさせてもらえなかった。
 受けていないもう片方の腕が、彼女に伸びたのだ。
 何とかそれを回避し
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