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英雄は誰がために立つ
Life10 聖書の子らの新たなる道 −禍の団、強襲−
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した停止世界の状況があまり変化していない様だ。

 『す、すいませんんん!?もう一度!あれ?もう一度!あれれ?』

 やはり変化が無い。そこで一誠が、直に幻想殺しの言葉を思い出した。

 「あの人!幻想殺しさんから借りた、あれは何所だ?ギャスパー」
 『え?・・・・・・あ、あーーー!?あれは確かこの段ボールの中に・・・・・・ありました!』

 段ボールの中から、幻想殺しから借り受けた物を取り出す。

 「それに思いを込めろ!そうすれば、幻想殺しさんに届いてあの人がこれの力で、この状況を元に戻せるはずだ!」
 『は、はい!』

 一誠に促されるままギャスパーは、思いのたけをそれにぶつけた。


 −Interlude−


 「!―――来たか、全て遠き理想郷(アヴァロン)!」

 ギャスパーの思いを感じ取った士郎は瞬時に、もしものために貸しておいた己が半身の投影品の真名解放を行った。
 それにより、ギャスパーを起点として霧が晴れる様に停止世界が消し飛んでいく。

 「上手くやったようだな・・・・・・むっ!」

 念話を送った訳では無いが、虚空に一誠達の活躍に賛辞を送っていたら、動きが有った。

 校庭の空中でにてカテレア・レヴィアタンと激戦を繰り返していたアゼゼルを、横から白龍皇がエネルギー弾を当てた。つまり、裏切ったようだ。

 「やはりか・・・。む」

 白龍皇の一撃によりアザゼルが墜落した場所には、一誠達が転移して来ていた。
 如何やら戦いが優勢になり余裕を幾らか取り戻したのか、ヴァ―リの傍らでアザゼルに話し込むカテレア。
 そうして話し込んでいると、アザゼルが金色の鎧をまとい始めてカテレアとの戦いを再開し始めた。

 「裏切りを確認、直ちに滅する」

 引き金を引く、装填、引き金を引く、装填、引き金を引く、装填、引き金を引く、装填――――。

 幻想殺したる士郎からの白龍皇に対する一方的な蹂躙が、今始まった。


 −Interlude−


 ヴァ―リが、ギャスパーの両目を一時的に封じた時にそれは起きた。

 「がっ!?」

 あらぬ方向からの一撃により、鎧が砕ける白龍皇。

 「がはっ、何がっあっ!!?」

 砕かれた箇所にまた“何か”が当たり、その衝撃とダメージにバイザーの中で吐血するヴァ―リ。
 そして、もう一発同じ箇所に。

 「ぐぁっっ!!?」

 遂には堪らず地面から足を離して、吹き飛んでいく白龍皇。

 単なる狙撃で何故こんなにもヴァ―リが一方的にされているかと言うと、銃弾に秘密があった。
 まず、結界なり防御障壁を突破するにあたり、魔術術式を無効化する概念の残滓をある伝手で入手加工して尖端と中間手前まで2段構
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