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英雄は誰がために立つ
Life10 聖書の子らの新たなる道 −禍の団、強襲−
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そこにいた。外見は今よりも若く、人間で言えば16、7歳位に見える。

 『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
 「セラフォルー、何だい?この映像は?」

 思わず聞いてしまうサーゼクス。

 「これは昔のカテレアちゃんだよ!私、これを見て魔法少女に憧れたんだ☆」

 ――――と。可愛く答えるセラフォルー。

 その映像が流れている中、カテレアは・・・。

 「あ・・・・・・ア、亜、阿、吾、あ―――――い、いやぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!?」

 それはそうだろう。過去に消し去り或いは封印したはずの若気の至り(黒歴史)が今、セラフォルーの手によって再び自身の目の前で顕現していたのだから。しかも、観衆付と来たものだ。

 「止めなさい!止めて、辞めて止めて止めて止めて止めた止め待って止めてぇぇえええええ!!」

 憤怒の形相になりながら闘牛の如く、赤い布に突っ込むように機器を停止させにかかるカテレア。
 しかし、それを華麗に庇い躱す姿はまるで、さながらマタドールの様なセラフォルー。
 そして、余程必死に突っ込んだのか、顔から床にダイブするカテレア。

 「止めて、カテレアちゃん!これは私のお宝なんだよ!!」
 「そんな物を!お宝にするなっ!!今すぐ寄越しなさい!いや、壊す!!!」
 「ククククク・・・」

 そこに火に油――――いや、火事に石油を運送しているタンクローリーを放り込む存在が現れた。

 「何が可笑しいぃぃ!アザゼル!!」
 「クク、他意が有る訳じゃねぇんだけどよ。さっきのセリフもなかなか中二病ぽっかたし、心の根底にはまだ若い時のお前さん自身が、あの言葉を言ったんじゃねぇかなぁ?と、思ってよ!だったら是はアレか?俺達みんなお遊戯会か何かにつき合わされてんのか?いい迷惑だぜ。残りの2人、ゼクスレイ・アスモデウスとシャルバ・ベルゼブブも難儀なこった」

 心底馬鹿にしたかのような、不敵な笑みを浮かべるアザゼル。
 シャルバと言うアザゼルの言葉に一瞬、反応するサーゼクス。

 「貴様ぁぁぁ・・・!――――ウ、ウフフフ、貴様からまずは殺してやるアザゼルゥゥゥウウウ!そしてその後は、今この場で見ていたお前たちも皆殺しにしてやるわぁぁぁぁぁあああ!!」

 どこまでも人を馬鹿にしたかのようなアザゼルと、最初の余裕さなど微塵も消え失せつつ、睨み殺せるのではないかと思えるほどの憤怒の形相のカテレア。

 今この場で、『終末の怪物』と言われた一体の末裔と、神の子を見張る者(グリゴリ)の総督の戦いが始まろうとしていた。ひどい位の緊張感のない空気に満ちたこの状況下で。


 −Interlude−


 アザゼルVSカテレアが始まる直前
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