幻聴
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じゃないの?」
そう言って、瑞鶴は湯呑みを傾けた。
「提督さん、もしかしてあの映画に影響された?」
「………ふぅむ……かもしれんな」
「ま、何も見ていない私たちがとやかく言える事じゃないからさ、提督さんの胸にしまっておくのがいいんじゃない?」
「そうか、その方がいいか」
俺がそう言うと同時に瑞鶴は間宮が持ってきた超特盛カレー(空母・戦艦限定)を頬張り始めた。
「あ、そうそう。岩本さんで思い出したけど、岩本さんって他のエースパイロットよりも視力が悪かったんだってさ」
「へえ」
「でもね、日光で反射した光で、敵どのくらいの距離にいるのか、どういう角度でこちらに向かってくるのか分かったそうよ」
「すごいな」
「それに地上勤務になってからも、このラバウルで千機以上の米軍機を他のエースたちと協力して、押し返してたんだってさ」
「それでねそれでね」と瑞鶴の話は小一時間ほど続き、その話を聞きつけた龍驤なども参戦し、日本軍のエースパイロット談義が始まったのだった。
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