来訪者編
第34話 水晶
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る女性を相手にすることもあるから、そういう人から義理チョコが来るだけで、お返しのバランスを考えるのが面倒なだけだよ」
それで、エリカの興味は僕から幹比古に移り、
「ミキのところは女の人が多いんでしょ。毎年よりどりみどりなんじゃない?」
「吉田くん……そうなんですか?」
エリカについで、美月まできいてきている。
「そんなことないよ! 大体、そんな浮ついた気持ちで修行に挑むなんてとんでもないことだよ」
これはエリカの地雷を踏んだようで、その返答に対して美月まで眼が座っている。可愛そうにと思っていたら、南がクラスメイトの男子の全員に配りにきて、その場の雰囲気は解消された。
放課後は生徒会室で仕事をしていたが、中条会長から義理チョコをもらったのは、まるっきり思っていなかった。深雪がいる時に怒らせないようにガス抜きをしているからだろう。それにしても、ほのかの髪についている水晶に何か違和感があることに気がついた。
「ほのかさん。それ水晶だよね?」
「あっ、うん」
「達也からか」
「……うん、チョコのお返しにって」
ほのかと僕の間にいるリーナはなんとなく、達也という言葉に反応するが、水晶のプシオンの感じからすると深雪が多分選んだのだろう。中条会長はにこやかに見ている。昨日のほのかの落ち着かない状態からみると、今日はまだよい方なのだろう。五十里先輩は千代田先輩につかまって、すでに帰っている。まあ、生徒会の会計は毎日来る必要は無いのだが、たまに別件が入ることはある。
今触っている生徒会室の情報端末から、手を放して自分の情報端末で達也へメールでの生徒会室への呼び出しをかけた。その動さが不自然に見えたのだろう。中条会長から
「その水晶、何かあるの?」
「……生徒会には関係ないことですから」
この言葉に反応したのは中条会長ではなく、深雪だった。
「お兄様が何かしたとでも言うのですか!」
「したとは思っていないが、気がついていなかったという可能性はある。ごくわずかだけど、ほのかさん以外のプシオンの反応があるから入手経緯とか、渡した状況とかを聞きたいと思って」
「これって、有害なんですか?」
「多分ほのかさん自身には問題は無いと思うけど、その水晶に関連したどこかに何かの問題が発生する可能性がありそうなプシオンだから、なるべく早く調べたい」
「そうしたら、わたくしがお兄様に連絡します」
「お願いするよ」
もう一度水晶のプシオンを観るが、ほのかにラインがつながっているのははっかりとわかる。しかし、水晶には別なラインで非常に視ずらいタイプのプシオンがつながっている。
このラインの色から見て何やら嫌な予感がする。リーナにも別な霊気のラインはついてい
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