来訪者編
第34話 水晶
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なんだけどなと思いながら、学校へ向かうことにした。
2月14日のバレンタインデー。
バレンタインデーは本命がいなければ面倒なだけだ。プラットフォームから学校に向かいながらも、ここしばらくの状況変化を思いうかべていた。
リーナの方は学校でのパラサイトが現れた後は、昼休みの生徒会室利用もなくなり、放課後だけになったのがどういう意図なのかが不明だ。ステイツでのマイクロブラックホール生成実験が行なわれたあとで、吸血鬼が発生したというニュースが流れだしてから、ステイツでは、軍人以外のパラサイトとはいっても『吸血鬼』以外の捕獲や、妖魔の捕獲がおこないやすくなっているらしい。そうはいってもステイツにいる古式魔法師があくまで中心となっておこなうために、以前よりはマシになったというところだ。
日本では、いまだ師族会議で九島家、七草家、四葉家が首をたてにふらないらしくまとまりがないし、ICPO魔法犯罪3課は日本に介入できていないなか、どうも日本でのパラサイトの動きは陰にうもれたようだ。報道がなされていないだけかもしれないが、それこそ今さらだろうしな。
教室に入ればレオがきていて
「よう、ひさしぶりだな」
「学校では1カ月ぶりってとこか」
そのあと、幹比古、達也に美月とはいってきたところで、
バレンタインデー用の同じ包みの箱を美月から渡された。幹比古はそこで不満げだが、レオは何やら珍しそうにしている。中学時代の個人的な経験から
「レオ、1カ月後にお返ししておかないと、来年からはもらえないかもよ」
「そうなのか?」
そう言った拍子に、教室へとエリカが入ってきたのと同時にこの現場を目ざとく見つけて、
「ずいぶん急いで退院すると思ったら、チョコが目当てだったの?」
「そんなわけねぇだろ! ふざけんなよ、このアマ」
「あら、もしかして図星」
レオがチョコレートをもらった反応から、そんなことは無いと思うが、その部分を見ていなければ、そのように考えられなくもない。
そのあと達也が、エリカと話してバレンタインデーにまつわる、門下生の愚痴を言ってた。
「バレンタインなんてさっさと無くなっちゃえばいいのに」
「ホワイトデーでお返しは返ってこないのかい?」
「半分はこないわね。それなのに、欲しがるだけは欲しがるんだから。そういえば翔くんが通っている道場ってどうなの?」
「僕もアルバイトで指導員をしているから、もらうことはもらうけど、指導している相手は主に小学生だからねぇ」
「もしかして、小学生が好みだったとか?」
「もしもし、エリカさん。それは大きな勘違いをみんなにふりまくからやめてくれよ。単純に道場の方針だよ。小学生か、もしくはものすごく安定的な体型をしてい
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