第十四話 思惑
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い戦いになる」
「二万隻と言うのは決して少ない戦力とは思いませんが……」
「少なくは有りませんが大きくも有りません。極めて中途半端です、運用し辛い……」
俺の言葉にヴァレリーが困惑した様な表情を見せた。誤魔かそうとして適当な事を言っているつもりは無い、ここ最近の俺の悩みの種はこの二万隻という数字だ。どうにも中途半端としか言いようがない。説明した方が良いかなと考えているとメックリンガーが近づいてきた。ヴァレリーも彼に気付いて表情を改めている。
「閣下、明日からの訓練の詳細がまとまりました。確認をお願いします」
メックリンガーが差し出した資料を受け取り確認する。艦隊を青、赤に二分し青軍は俺が司令官で赤軍はクレメンツが司令官になる。
クレメンツの側には参謀としてシュトライトとビューロー、分艦隊司令官はアイゼナッハとビッテンフェルトが配属される。俺の方はメックリンガーとベルゲングリューン、ワーレン、ルッツか……。
演習内容は輸送部隊の護衛と襲撃。最初は俺が輸送船を護衛しクレメンツが襲撃を行う。終了したら立場を変えてもう一度か……。輸送ルートはフレイア星系からトラーバッハ星系への直線コースか……。航路は整備されていないから奇襲はし易いか。訓練としては良いだろうな。
メックリンガーの後方を見るとビューローとベルゲングリューンが心配そうにこっちを見ていたが俺と視線を合わせると慌てて逸らした。俺って避けられてる? ブラウンシュバイク公爵になったせいかな、ちょっと寂しいよな。今度明るく声をかけてみようかな、でもそれもおかしいよな……。
「問題は無いと思います。クレメンツ副司令官、各分艦隊司令官に通知してください」
「承知しました」
承知しましたと言ったのにメックリンガーは戻ろうとしない。はてね……、何か指示の出し忘れが有ったかな。
「何か?」
俺が問いかけるとメックリンガーが少し照れたような表情を見せた。結構可愛いじゃないか。
「いえ、先程閣下が少佐に運用し辛いとおっしゃっていたのを小耳にはさんだものですから……」
やれやれ、聞かれたか。視線を後方に向ければシュトライト、ビューロー、ベルゲングリューンもこちらを見ている。仕方ないな。
「フィッツシモンズ少佐、同盟軍の正規艦隊で一個艦隊と言えばどの程度の兵力です?」
「大体ですが一万二千隻から一万五千隻、そんなところでしょうか」
「こちらは二万隻、艦隊の規模としてはこちらが大きい。この場合、同盟軍はどう対応すると思います?」
俺の問いかけにヴァレリーはメックリンガーと視線を合わせた。そして俺に視線を戻してから答えた。
「……一個艦隊では劣勢です。ごく普通に考えれば二個艦隊、或いは三個艦隊を動員すると思います」
「その通り、小学生程度の算数が出来れば
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