第十四話 思惑
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話に出てくる司法神だがアース神族の中でも最も賢明で雄弁な神様だ。そして平和を愛する優しい神様でもある。彼は大変尊崇されていたため、非常に厳粛な誓いを立てる際には、彼の名前を以て誓うこととされていたらしい。弁護士を目指した俺にとってはお手本みたいな神様だろう。実際に居るなら会ってみたいもんだ。
原作ではルッツの乗艦スキールニル、ワーレンの乗艦サラマンドルもフォルセティ級だ。確かスキールニルが二番艦でサラマンドルが三番艦だったかな。両艦ともラインハルトに従って戦場を駆け巡った。帝国でも屈指の武勲艦だろう。ちなみに今の両者はまだフォルセティ級を使っていない。
スキールニルやサラマンドルに比べるとフォルセティはあまり戦場で活躍していない。ケスラーが憲兵総監になり地上勤務になったためだ。撃沈はされなかったが武勲には恵まれなかった。この世界ではどうなるか……、出来る事なら原作世界同様撃沈されないで欲しいもんだ。
オーディンに戻るのは十月中旬だな。補給、艦隊の整備を行ってから出撃となるから出撃できるのは大体十一月の初旬といったところか。イゼルローン要塞には遅くとも十二月の中旬頃には着くだろう。イゼルローン要塞で最後の補給を行って出撃か……。
新年のお祝いは間違いなくフォルセティで行うことになるな。いや、問題はそれよりクリスマスだ。エリザベートが残念がるだろう、プレゼントだけでも用意しておくか。フェルナーに頼んで当日渡してもらう……。ケーキは作っておくわけにもいかん。そいつは来年だ。
帰ったらエリザベートが大変だろうな。昨日、オーディンから補給が届いたがその中に彼女からのビデオレターが有った。風邪をひいてないかとかちゃんと食事をしてるかとかピーマンとレバーを残しては駄目だとか色々言っていた。しかし俺って十五歳の女の子にそこまで心配されるほど頼りないかね、ヤン・ウェンリーと同等か? それはちょっと酷いだろう……。
誰かがエリザベートを唆したな。シュトライトは此処にいるからフェルナーか、アンスバッハか……。或いは大公夫妻かな、意外な所でリッテンハイム侯夫妻という線も有るだろう……。
あの髭親父、このあいだ家に来て俺が作った白桃ソースのブランマンジェを食べてたが、髭に白桃ソース付けて御機嫌だったからな。一口毎に“ムフ”、“ムフ”なんて言って喜んでいた。皆大笑いだったがムフムフちゃんを一番笑っていたのは侯爵夫人だった。あの日以来俺の心の中ではムフムフちゃんが奴の呼び名だ。
「閣下、御心配事でもお有りですか?」
「……」
「先程から何かお悩みのようですが……」
ヴァレリーが心配そうな顔で俺を見ている。拙いな、まさかエリザベートとムフムフちゃんの事を考えていたとは言えん。
「遠征の事を考えていました。結構厳しいでしょうね、難し
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