第十四話 思惑
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
単ではありません。忙しさがあの事件で思い悩むことを忘れさせてくれるでしょう。オーディンに戻って来るころには元の公に戻っていると思います」
「フェルナー大佐はそう思うの?」
「もちろんです」
「だと良いのだけれど……」
信じたい、信じられるのだろうか、そんな風情だな。よしよし、ここでもう一押しだ。
「それより手紙でも送られては如何です。エリザベート様から手紙が届けば公も喜ぶでしょう」
「そうかしら、喜んでくれるかしら」
少し不安そうだな。ここはにっこりスマイルだ。
「もちろんですとも」
俺の笑顔にエリザベート様も嬉しそうに笑みを浮かべた。
「そうよね、喜んでくれるわよね」
「ええ」
「有難う、フェルナー大佐」
そう言うとエリザベート様がパタパタと走り去っていった。これからビデオレター作りだろう、多分今日一日はかかるに違いない。幸せな気持ちで胸がいっぱいだろうな……。エーリッヒも婚約者からビデオレターを貰えば心が弾むはずだ。うん、俺って良い友達だな。
帝国暦486年 9月22日 フレイア星系 フォルセティ エーリッヒ・フォン・ブラウンシュバイク
俺が遠征に率いる予定の艦隊二万隻は現在フレイア星系で訓練中だ。既に訓練に入って二週間が経っている。訓練は順調過ぎるほど順調だと言って良い。出来る部下を持つと楽だよな。あと二週間もすれば訓練を終了出来るだろう。
少し離れた所で参謀長のメックリンガー少将がシュトライト准将、ベルゲングリューン、ビューロー大佐と訓練の打ち合わせをしている。明日から一週間の訓練内容についてだ。基本方針は艦隊を二つに分けての演習になる、彼らは今その詳細を詰めている。そして俺は指揮官席でそれを見ているという状況だ。
戦艦フォルセティ、フォルセティ級の一番艦で俺の乗艦だ。つまり遠征軍の旗艦ということになる。原作だとこの艦はケスラーの乗艦になるんだがこの世界では俺の旗艦になった。まあこの世界のケスラーはラインハルトの参謀長だし問題は無いだろう。
どうも帝国は帝国歴四百八十年代の後半から旗艦級戦艦は高速機能を有するべしという設計思想の元に艦を造っているようだ。フォルセティ級とほぼ同時期にベイオウルフ級、そしてブリュンヒルトやバルバロッサが建造されているがいずれも高速戦艦だ。
俺はこのフォルセティを結構気に入っている。この艦の全高は二百メートルに満たない、車で言えば車体が低いのだ。旗艦級戦艦で全高が二百メートル切るのは極めて少ない、このフォルセティとバルバロッサくらいだろう。それに機関部を後方に集中配置して装甲を強化しているから極めて打たれ強い艦になっている。生き残って指揮を執ると言う点では非常に優れた艦だ。
フォルセティの名前も良い。フォルセティは北欧神
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ