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魔法少女リリカルなのは ―全てを変えることができるなら―
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の前にいる。
――――何とも思わないとは、言わせませんよ?》
逃がさない。
言葉に出さずとも、ネクサスの口調からその想いが伝わった朝我は素直に頷いた。
「ああ、何も思わないわけじゃない。
ずっと、守ることだけを考えてきたから、恋にうつつを抜かすわけにはいかないって思ってた。
でも……」
全てが上手く終わり、彼女達を守りきった後、自分はどうするのだろうか。
改めて考えてみると、自分と言う人間は彼女達のことを除くと空っぽなのを知った。
まだまだ問題は山積みで、本当の戦いもこれから。
そんな状況ではあるけれど、先のことを、未来のことを、幸せな時間を想像したってバチは当たらないだろう。
「好きな人と幸せな未来……」
そう思って朝我はゆっくりと目を閉じ、自分が望む幸せを想像した――――。
*****
「何の話ししてるんだろ……」
隊舎の窓から見えた、朝我 零の訓練姿。
『ああ、また彼は頑張っているんだ』と、フェイトは心配そうな表情でその姿を見つめていた。
八年前、無理をし過ぎた親友が大怪我したこともあり、彼も同じようになってしまうのではないかと不安になったのだ。
だからフェイトは仕事を切り上げ、タオルとスポーツドリンクを手に彼のもとに向かった。
……のだが、すでに訓練は終わっており、朝我は愛機と何やら真剣なお話をしていた。
干渉できる雰囲気ではなかったのと、声をかけるタイミングを失ったフェイトは訓練場の障害物として用意された木の影に隠れて様子を伺った。
盗み聞き……になるかと思いきや、運が良いのか悪いのか、潮風に邪魔をされてほんの少ししか聞こえなかった。
――――『好きな人と幸せな未来』。
それがどういう意味を持っているのか、フェイトにはわからなかった。
だがしかし、好きな人がいる。
そしてその人と幸せになりたいと言うことはわかった。
「朝我でも、やっぱり好きな人、いるんだ……」
彼が通っていた訓練校を一日だけ見学した際、彼がラブレターをもらっているところをみたことがあった。
ああ、彼はモテるんだと知った。
本人にそれとなく聞いてみると、彼は恋愛には興味がないと答えた。
でも、やっぱり本心では好きな人がいて、今もその人のことを想っているのだろう。
「…………あれ?
寝た、のかな?」
よく見ると、朝我は目を瞑って落ち着いた呼吸を繰り返していた。
力も抜け切り、気持ちよさそうな笑みを浮かべていた。
しかしこのままでは風邪をひいてしまうだろう。
そろそろ隠れているわけにもいかなくなったフェイトは、木陰から姿を現して彼の
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