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魔法少女リリカルなのは ―全てを変えることができるなら―
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い目で天井を見つめながら答えた。
「ははは…………50通超えた所で数えるの諦めた」
「ちなみにアタシが数えたときは120通は届いてたわよ」
ティアナの補足にスバルは懐かしむように、そして引いたような笑みを溢し、エリオは同じ男として尊敬の眼差しで、キャロは開いた口がふさがらないと言わんばかりの表情で呆然としていた。
「俺としては、その全員の告白を断るのが辛くてな…………」
「ホント、どっかで諦めて誰かと付き合うと思ったけど、結局誰とも付き合わなかったんじゃ、そりゃ疲れるわよね」
ちなみに朝我の知らない所でティアナは『朝我とお近づきなりたい人達』の相手をしたことがあった。
本人に直接話しかける勇気がなく、友人であるティアナのツテでなんとかしようとしたのだ。
しかし朝我本人が誰とも付き合うつもりがない、と言う意思を知っており、そして断る日々に精神的疲労を抱えていた彼の心中を察し、朝我には何も言わずに断っていた。
……ちなみに、スバルは『嘘や探りを入れると言うのができなさそう』と言う理由から一度もそんな相談は受けていなかった。
「色んな女の子に告白されても断るんだし、朝我の好みってどんな女かなって聞いてみたかったのよ」
「あ、それアタシも知りたーい!」
気づけばパスタもサラダも消滅しており、それらが会話をしながらも飲むかのような速度で食べていたスバルとエリオの胃袋に吸い込まれていた。
そして同じ訓練校だったスバルも話題に本格的に参戦し、食後の休憩に恋バナに花を咲かせることとなった。
「好みね……」
そう呟くと、朝我は腕を組んで目をつぶり、真剣に考えだした。
こういった機会しかマトモに考えることがないと言うのもあれば、自分自身を知る良い機会でもあると思ったからだ。
期待の眼差しで見つめる女性三人と男子一人に、朝我は『とりあえず』と言った様子で答える。
「スバルもティアナもキャロも、好みの女の子だよ?」
「へっ!?」
「なっ!?」
「えっ!?」
スバル、ティアナ、キャロの順に喉奥から声が漏れると、沸騰したかのように一気に顔が真っ赤に染まっていく。
エリオは三人のリアクションに何が起こったのか理解できず、朝我に視線で何があったか問う。
しかし朝我もまた、なぜ三人が顔を赤くしているのか分からず、二人揃って首をかしげることになった。
(まぁでも、――――愛してる人は、いるかな)
誰にも聞こえないように、悟られないように、朝我は笑顔を保った。
胸が締め付けられ、鋭い痛みが走るけど、笑顔を崩さなかった。
そんな女々しい姿を見せるわけには、いかなかった――――。
昼休みも終わり
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