来訪者編
第32話 秘密は多いけどさ
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れで端末とかのチェックは了承してもらえるかな?」
「いいわよ。ところで……」
「何だい?」
「9名と2名よ。それに協力者が1名以上いると思われるわ」
「……往路での話かい?」
「そうよ。これで借りは無しよ」
「達也たちにも言っていいかな?」
「ご自由に」
貸しだなんて思っていない。僕の作戦が失敗しただけだ。強力な精霊を現実世界まで呼び寄せたなら、サイオン量の違いが普通の魔法師ならわかるから、勝ち目はないと判断して降参すると思っての作戦だっただけだ。
しかし、余計なことは言わないで、そのままモーターセダンに乗り込んで、場所を教えてもいない自宅まで送ってもらった。その最中に、達也へ月曜日の朝に九重寺で会えないかとメールを送ったら、返信には明日日曜日の朝に生徒会室へとの内容だった。
翌朝、一高の生徒会室に入ると先にいたのは、達也と深雪はもちろんだったが、幹比古とエリカだった。
「おはよう。なるほどね、九重寺じゃなかったのは、幹比古とエリカがいるからか」
「他にも来るから、話はメンバーがそろってからしたい」
そこで、適当に話をしていたら、ノックをした人物がいる。プシオンから連想しているうちに、達也が律儀にもドアを手で開けているのだから、七草先輩は令嬢だからいいとして、達也はどこの執事かよと思っていた。
入ってきたのは十文字先輩も一緒で、エリカと七草先輩の間で、「なぜこのメンバーを集めたのか」なんていう話はでたが、達也はあっさりスルーして、
「我々が追いかけている吸血鬼の捕獲について、お知らせしたいことがありましたので」
「聞かせてもらおう」
「了解」
十文字先輩と僕だ。
「昨晩、三時間おきに特定パターンの電波を発信する合成分子機械の発信器を打ち込みました」
あのパラサイトに打った弾丸って、そういう効果のあるやつだったんだと思いながら
「発信器の寿命は最長で三日間。電波の出力は微弱ですが、街路カメラに併設した違法電波取締用の傍受アンテナなら受信可能です」
まわりから達也に質問はとんだが、それもあっさり無視して
「これが電波の周波数とパターンです」
達也から各自へとカードが滑らされた。
「翔は不明だが、先輩のチームもエリカ―のチームも傍受アンテナを利用できるはずですね?」
普通の古式魔法師もからんでいたら、利用可能のはずだけど、裏賀茂系だけなら、関西はともかく関東はどうなのかな。知らないから、師匠に話すだけだろう。
「……これで居場所を突き止めろ、ってこと?」
「……なぜ、これを私たちに?」
七草先輩には達也が黙ってうなずき、エリカは質問をしたが
「我々が追いかけている吸血鬼の正体ですがU
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