四十八話:改造人間
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っ! これも愛情の裏返しというやつか!?」
「純度100%の殺意の籠った一撃を受けてそう思えるお前が羨ましいぜ」
俺が腕を掴んだために動きが止まったT・シドーの腹部ににイリナの殺意の籠ったトンファー突き刺さり吹き飛ばされるが、それを愛情表現だと信じて疑わないT・シドーの思考回路に呆れを通り越して尊敬の念を抱いてしまう。まあ、絶対になりたいとも思わねえがな。
(体に迸る甘美な痛み……ああ、これを愛と言わずに何と言うのですか、ご主人様!?)
(死んだ方がマシな感性だよ、エルシャ)
(罵倒もまた愛情表現の一つ…っ! ああ、もっと、もっと私を蔑んでください!)
そう言えば、ここにもイカれた思考回路を持っている連中がわんさかいたな。最近少しだけ影を潜めていやがったから忘れてたぜ。というか、こいつらのいう愛が世間一般的な愛情表現だったら俺は異世界を探し出してそこに逃げ込むぞ。まあ、俺がボスであるうちは逃げてもすぐに帰ってくるがな。
「おいおい、情けねえじゃねえか、兄弟。お前の力はそんなもんじゃねえだろ」
「同胞よ、助太刀に来てくれたのか」
「おうよ、俺達は二人そろってこそ新の力を発揮するからな」
「アザゼル……てめえもかよ」
突如登場して、倒れ伏すT・シドーに手を貸して起こすアザゼル。こいつも絡んでくるとかなり面倒くせえな。イリナもいるから数的には特に不利じゃねえが、あいつらの頑丈さは筋金入りだ。アザゼルに関してはヴァーリが居りゃ、簡単に引き下げられるが今はいねえしな。
それにT・シドーの方は超ポジティブシンキングで娘のこれでもかという暴力と暴言を愛情の裏返しに脳内変換するからイリナが何と言っても無駄だ。また、星に変えるぐらいしか対処方法がねえ。なんだってあんなに頑丈なんだよ。あ? ギャグ補正だと? 知るかそんなもん!
「じゃ、てっとり早く俺も変身するか。変身!」
「おい、待て。お前は改造人間じゃねえだろ」
「うるせえ! ヴァーリは純粋無垢な子なんだよおおおっ! それをてめえは穢しやがって!」
「最近まともな会話が成立してねえ気がするのは俺の気のせいか?」
そんなことを真剣に考えているとT・シドーのように光に包まれて変身していき、緑色を基調とした体に赤の複眼が特徴的なバッタに似た姿になるアザゼル。アンカージャッキは左足に付いてるとこから考えるとあれは足技が主な戦闘手段か。まあ、接近戦の方がこっちとしてはありがたいから光の槍を投げられるより楽だ。
「こいつの名前はキックホッパーだ。てめえを地獄に叩き落とすために作り上げた至高の一品だぜ。おい……今、こいつを笑ったか?」
俺が楽に戦えると踏んでニヤリと笑っ
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