第十一話 実質的に初の暗部活動
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
俺は取り敢えず現在位置から一番近い駅に向かい、そこから電車やバスを乗り継いで第10学区の研究施設の近くまでやってきた。施設の右側は劇物系の薬品を生産する施設で、左側はバクテリアや細菌の保管施設になっている。そして、研究施設の背後には小さな山があるが、地図で見たところその山の向こうには原子力研究施設があるらしい。どれも事故が起こると大変な事態になってしまう。まぁ、隣や裏に被害が及ばないようにすればいいだけなんだけど……。
「さて……と、スリープクラウド!」
俺は適当に魔法を使って、守衛さんを眠らせた。そして姿を消す魔法を使い、念のため足跡などが残らないように浮遊魔法のレビテーションも使用して、そのまま門から中に入る。
玄関を入る時には扉が動かないように空間転移を行い、施設内を進んでいく。人の気配を探ると10人程度が集合している場所がある。気配の感じからして子供達で間違いないだろう。それとは別に、数人が集まってる場所があるが、そちらも気配から考えて研究員ということで間違いないと思う。
子供達が居ると思われる部屋に入ってみると、妙な音が流れていた。擬音で表現するのは難しいが、「ぎゅい〜、うにょ〜、びゃ〜」といった感じの音が流れている。中の子供は12人、ただ体育座りをしているだけで、特に何かをしている様子もないし居眠りしている子も居る、それならここはそのままにして研究員を片付けてから、子供達を助け出したほうがいいだろう。
俺は部屋から転移で出ると研究員が集まっている部屋に向かう。研究員の部屋に入ると俺は魔法を発動させた。
「エルメキアランスっ!」
この魔法はアストラルサイドに攻撃を仕掛けるもので、要は精神攻撃である。そのため、魔法を喰らった研究員達は全員意識不明になったのである。
俺がこの建物内で感じる気配は子供達を除けばここに居るだけで全員である。しかし、これでは数が少ないのではないだろうか。
(アリス、アンダーライン以外でこの施設を外から監視するシステムはあるか?)
(ない)
アリスに確認を取る。研究員が少ないなら、外から監視して指示を出している人間が居るかもしれないと考えたのだが、その線は無いようである。
俺は魔法を解除して姿を現し、普通に歩いて子供達の居る部屋に向かった。子供達の居る部屋の扉は、鍵が掛かっていなかったので簡単に開けることが出来た。部屋の中は先程までと変わらず変な音が流れ続けている。
「はーい、皆ちょっと聞いてくれるかな?」
俺は皆を注目させると、全員を外に出るように促す。幸いなことに子供達は特に疑うことも無く俺の言う通りにしてくれた。俺は子供達を外へ誘導している最中にケータイで連絡人に子供達を保護したと伝え、研究所の前に迎えの車を用意して
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ