第十一話 実質的に初の暗部活動
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ゃねぇぞっ!」
俺は前方と後方に殺気を放ちながら言い返した。
「ぐっ!」
「なぁっ……」
「ひっ!」
「あぁっ」
普段は自分たちが殺すばかりで、殺気を受けたことなどほぼ無いのだろう。麦野さんは歯を食いしばるようにして立ち尽くし、絹旗さんは一歩後ろに下がっていて、構えはどう見ても腰が引けている状態になっている。フレンダは麦野さんの拳骨を食らった時点でしゃがみ込んでいたのだが、今は尻餅をついている状態になっていて、滝壺さんは地面に片膝と片手をついている状態だ。
「あ……アンタ、一体何者なのよ」
俺の殺気に当てられてなのか、若干息苦しそうな麦野さんが聞いてくる。まぁ、同じ暗部所属なんだし嘘をつく必要は無いだろう。
「神代騎龍、善良ってわけじゃない一般市民。兼、暗部組織グループの一員だ」
と、俺が言い終えた時、麦野さんのケータイと俺の暗部用ケータイがほぼ同時になり出した。
「はいはい」
『今から仕事をしてもらう』
今回の電話の相手は土御門さんではなく連絡人だった。
「はぁ、それが、今アイテムの連中に囲まれてまして……」
取り敢えず、端的に現状を説明する。
『心配には及ばない、すでに手を回してある』
「神代騎龍には手を出すなだとっ!? ふざけるなっ! 今、目の前に居るんだぞ!!」
連絡人が告げるとほぼ同時に麦野さんの怒声が響き渡る。
「あ……ほんとだ」
『では、仕事の説明だ。第10学区の研究施設から子供達を助け出してもらいたい、場所はメールで送るから後で確認してくれ。研究員の生死は問わないし、逃げ出す者は放っておいても構わない。あと、施設を破壊するのは問題ないが、子供達はなるべく傷つけないように。それでは任せたぞ』
「了解っ」
ケータイを切ると即座に位置情報や施設の見取り図がメールで送信されてきた。
「さて、それでは仕事が出来たので行きますね」
麦野さんにそう言って、俺はそのまま歩き出す。前には絹旗さんが構えたままで固まっていたが、俺が横を抜けようとした時に道の端へと寄ってくれた。麦野さんはちょっと残虐な思考が多い気もするけど、他の面々は結構素直で純粋なんだよな。
そう言えば、アイテム4人のステータスを見てみたのだが、学園都市製超能力の値は麦野さんでも15億程度だった。次に絹旗さんが8千万ぐらいで、滝壺さんが3700万ちょっと。一番下のフレンダは45万しかなかったが、それでも平均値の1万よりは遙かに上なのだ。逆に演算能力は麦野さんが2000万程度しかないのに、絹旗さんが5200万もあり、滝壺さんに至っては1億2400万以上もある。で、やっぱりフレンダは51万とアイテムの中でも飛び抜けて低かった。
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