暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第14話 「親戚、現る」
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戚だから問題ないと言えばないわけだが……しばらくって言葉が気になって仕方がない。
「しばらくって……いつまでだ?」
「僕の父さん達がこっちに来るまでだね」
「……いつ来るんだ?」
「うーん……分かんないや。できるだけ早く来るって言ってたけど」
ユウキがここに来た経緯が上手く理解できない俺は素直に事情を説明し、詳しいことを聞いてみた。
ユウキが言うには、彼女の父親が転勤でこの街に来ることになったらしい。ただ残っている仕事があるため、すぐには行けないとのこと。ならば一緒に来れるまで待てばいいのではないか、と思い言ってみると――
「だって暇なんだもん。ショウもシュテル達もみんなこっちに行っちゃってたし。それに2学期からショウと同じ学校に通う予定だからね。この街のこととか勉強とかしとかないといけないから」
「……最大の理由は?」
「ブレイブデュエルがやりたいから!」
だろうな……それでこそ俺の知るユウキだ。
ってことは、俺はユウキの両親が来るまで彼女の面倒を見なくちゃいけないってことか。期間は最長で2学期が始まる前まで。いくらレーネさんも一緒だからって、ほとんど仕事でいないわけだし。年頃の男女が長い時間一緒に暮らすのはまずいだろう。
かといって、すでに話は通っているようなのでユウキを帰すわけにもいかない。レーネさんにはあとで説教しておくとして、とりあえず家に上げよう。いつまでも玄関で話すのもあれだ。
「お前が来た経緯については分かった……まあ上がれ」
「うん……その手は何?」
「荷物をよこせってことだよ。運んでやるから」
「いいよ別に」
「いいから」
俺は半ば強引にユウキから荷物を受け取った。普通このような真似をすれば怒られたりするだろうが、まあ俺とユウキには多少なりとも血の繋がりと共に過ごした時間がある。それに彼女は最近は聞いていないが、昔はよく体調を崩していた。それだけに重たい荷物を持たせたくない。
「僕も一応女の子なんだけどな」
「安心しろ、お前くらいにしかしてないから」
「それって僕だけ特別扱いしてくれてるってこと?」
からかうような笑みを浮かべているユウキの額に、俺は無言で振り返るとでこピンを入れた。なかなかに良い音がしたので痛かったらしく、彼女は両手で額を押さえる。むすっとした顔をこちらに向けてきたが、相手にしないことにした。
「もう、そういうところがショウの悪いところなんだよ。だから彼女が出来ないんだ」
「あいにく自分を偽ってまで作りたいとも思ってない。長続きはしないだろうし、作ったら騒ぎそうな人間がいるしな」
「ふーん……ま、ショウらしいね」
興味なさそうな返事だな。お前の興味はブレイブデュエルのほうに行ってるわけか……まあ追求されるよりはマシ
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