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101番目の百物語 畏集いし百鬼夜行
第十二話
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 落ち着くためにも一つ深呼吸をしてから、再びアイコンタクト。触れたままであった扉に力を

  ブヒャッ プピィ〜

「……………………」
「……………………」
「えっと、今のもやっぱり?」
「そんなわけないでしょ……」

 ついに扉から手を離して、額に当ててしまった。うん、その気持ちよく分かるぞ。俺としても、今すぐにでも頭を抱えたい。だがしかし、そろってその体勢になったらもう戻れなくなると思うから、このまま扉に手を当てた体勢でいることにした。

「……うがーっ!また間違えたー!」

 と、そのまま少したったところで音楽室の中からそんな声が聞こえてくる。女子の声だ。というか、この感じだとクラリネットを吹いてたこの声だ。
 なんにしても、これでロアじゃなかったという結論を得ることができればロアへのイメージが保たれる。そうすれば復活できるだろうと希望をもって音楽室の扉を開いて中に入る。その先には、長い髪の、この学校の制服に身を包んだ女子がクラリネットを片手に頭を抱えているのが見える。演奏していた子だろう。
 と、扉のしまる音で気づいたのか、手を下し、ゆっくりとこっちを向く。その顔はとてもかわいい顔なのだが、目に涙がたまっている。というか、あれ?どこかで見たことが……

「ねぇ……」

 と、その顔に違和感を感じているとその子は口を開いた。
 今にも涙がこぼれそうな目で、次の瞬間には崩れてしまいそうな儚い(?)笑顔で、一言。

「私の演奏、うまかった?」
「「思いっきりミスってただろ!」」

 俺とテンの突っ込みが完全にかぶった。

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