第十一話
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「……死人が、たくさん出る?」
「そう、正解。だったら、その『ロア』が本当の意味で実行するべき物語は?」
そういう形でロアとなったなら、その物語の実行に必要なのは……実行する、物語とは。
「疫病によって、死人を大量に出すこと?」
「ようやく分かったわね。ちなみにこの場合、その被害が……崩壊が街単位で済むかは分からないわ」
ようやく、理解した。その魔女は、本当に何とかしないといけない。何とかしないわけには、行かない存在だ。
「……分かったなら、いくわよ。まずは、主人公であるあんたのパワーアップをしないと」
「それは、どうやったらできるんだ?」
「簡単よ。より多くの『物語』を乗り越えたり、自分の物語にすればいい。ただそれだけのこと。ティアに聞いたけど、八霧高校には学校の怪談的なものはないのよね?」
「ああ、少なくとも聞いたことはないはずだけど」
「だったら、どこかにそれがあるって聞いたことは?そう言うのがある学校に行けば、『コード』が見つかる可能性も高くなるんだけど」
ふむ……といっても、俺はそこまで詳しいわけではない。よって、考えられる候補は二つ。俺の通っていた中学校と小学校。で、学校内に入ることができそうなのは。
「中学時代なら、そういう噂もあったな。怪談系の話が好きな年頃だったのかもしれない」
「じゃあ、そこに行きましょう。学校の名前は?」
「八霧中学校」
「……そう」
いや、同じ街にあるんだから仕方ないと思う。それに、分かりやすくていいじゃん!
「じゃあ、どんな噂があったの?」
「細かく知ってるわけじゃないぞ?俺、そこまで熱心に調べてたわけじゃないから」
そう前置きしておいてから、俺は考える。あの中学で噂されてた怪談は……
「登る時と降りる時とで段数が違う階段とか」
「たぶん、遭遇しても何も起こらないからなんのパワーアップにもならないわね」
だがしかし、階段側は噂され続けるから消える心配はない。地味だけどいいな、それ。
「空飛ぶ二宮金次郎像とか」
「それで終わりなら、立派な出落ちね」
おっしゃる通りだ。これについては、何が怖いのか分からない。
ついでに薪の数が数える時間によって違うっていうのもあったけど、これはどうでもいいだろう。
「他にはないの?『花子さん』とかいてくれると、超有名な分超強いんだけど」
「なかったなぁ。いやさ、そういう定番系のやつは広まりづらい校風だったんだよ」
どこかに変な要素、珍しい要素があるのが特徴だ。
「だったら、他に何があるのよ?」
「んー。放課後になると変顔する、音楽室の作曲家の絵とか」
「なんで変顔してるのよ」
「夜中に鳴き出すカエルのホルマリン漬けとか」
「普通に気持ち悪い
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