空白期 中学編 09 「紫炎の剣」
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るシュテルに聞いてみた。
『色の違いですか? それは私のあなたに対する愛の表れです』
「…………」
『冗談です。ルシフェリオンから参考にしたものがあるので、関連付けでそういう色にしただけですよ』
なるほどな、って言いたいところだが……何でこっちを見ないで言うんだ。そういう時のお前は、大抵適当なことを言っているときだぞ。最初に真顔で言ったことのほうが嘘っぽくはあるが……気にするのはやめよう。
『さて……現段階ではこれといって異常はないようですね。まずは魔力変換システムから使用してもらえますか?』
「分かった」
と、短く返事をして俺はウィステリアに魔力変換システムを起動するように告げる。すると「ヤー」という返事が来た。
ウィステリアに搭載されているAIの人格は女性で年齢的に言えば少女なのだが、どうも大人しい性格をしている。返事は基本的に「ヤー」か「ナイ」だけだ。
知っているとは思うが、俺にはフェイトやシグナムのように一瞬で魔力を属性に変化させる資質はない。まあこれまでの経験からある程度迅速に変換することは可能なのだが、《炎熱変換》の補助システムを搭載したウィステリアで行えば、その速度はシグナムにも劣らないものになる。
『ふむ…………上手く変換できていない魔力があるようですが、前回よりは向上していますね』
「それは良かったな」
『はい、わずかでも先に進むというのは嬉しいものです……が、カートリッジシステムと併用して使えるようにするのが最終目標です。喜んでばかりはいられません』
確かにシュテルの言うとおりだろう。緩やかに魔力を流し込んでいる現段階でも100パーセントの出来ではないのだ。カートリッジシステムを使えば、デバイスに流れ込む魔力は今とは比べ物にならない量になるだけに、最終目標に辿り着くのは遥か先のことだろう。
「そうだな。でも焦ったり、無理はするなよ」
『……ふふ、私が焦ったり無理をしたことがありましたか?』
「それは……前にシグナムと」
『そういえば、ユーリから聞きましたか?』
自分から聞いておいてこいつは……。
と、最後まで言わせなかったシュテルに思うところはあったが、彼女の言葉が気になった俺は話を進めることにした。
「何をだよ?」
『セイバーのことです。何でもセイバー自身の発案で、インテリジェントデバイスのような形態変化を開発してみることになったのだとか』
聞いてない、と言いたいところだが……そう言えば、遊園地の帰りにユーリが今度大切な話があるって言っていた気がする。セイからも同じように連絡があったので、おそらく今シュテルが言ったことを話すつもりだったのだろう。
――やってほしくない気持ちはあるが、ファラもこれまでにいくつものテストを行ってきたし、俺
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