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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
お見舞い客、四組目 そして、異変
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「・・・お前か、マンドラ。」
「ああ。体はまだよくないのか?」
「そうでもない。少なくとも、首から上しか動かなかった時に比べればかなり回復したしな。」

そう言って肩をすくめる一輝に対して、マンドラは頭を下げる。

「・・・なんだ?」
「いや・・・礼を、言いに来たのだ。」
「頼むから、それはやめてくれ。」

が、一輝はそんなマンドラに対して頭を上げるように言う。礼なんていらないという意味ではなく、言わないでほしいという意味で。

「そもそも、お前が・・・“サラマンドラ”が俺に礼をいう理由がないだろ。一番死者が多かったのは、“サラマンドラ”なんだから。」
「だからこそ、だ。あの後、お前がアジ=ダカーハを相手してくれていなかったらもっと多くの同志が命を失っていた。」
「そうじゃないだろ。そもそも、俺は分身体をまき散らしたようなものだし、そもそも最初から俺の“主催者権限”を使っていれば、犠牲はさらに少なくできた。」

これは、どうしようもない事実である。極論になってしまうが、一輝があの時最初から“主催者権限”を使えてさえいれば犠牲をゼロにできていたかもしれないし、そうでなくともあの場に残ってさえいればもっと早い段階で食い止めることもできた。
言い始めればきりがなく、そしてそれをしなかったという事実に心を痛めていない一輝は、だからこそマンドラに謝るなという。頭なんて下げるなと、そう言う。が、

「そういうわけにはいかん。そもそも、私を含めたサラマンドラの同志は吸血鬼化をして、元から死ぬつもりであの場に立ったのだ。にもかかわらず生き残れた者がいる以上、礼を言わないわけにはいかない。」
「・・・たとえそれが、同志の死を防げたのにそれをしなかったものでも、か?」
「そうだ。それに・・・お前に同志の命を救ってもらうのは二度目だからな。これでもまだ例を言わないのでは、サラマンドラの名前をつぶすことに他ならない。」

本人も吸血鬼化していて、あれだけ霊格を削らんほどの勢いで戦い、さらには党首であるサンドラを失って辛いだろうに。それでも、ここまでする。
自分より百以上年下の相手に対して頭を下げて、恨み言を言う権利があるのに何一つ言わない。そこには、菲才な彼なりの誇りが込められているように感じられる。

「だから、改めて言わせてもらう。今回、話がコミュニティの同志が命を落とさずに済んだのはお前のおかげだ。死んで当然の戦い。死を覚悟した戦い。二度も命を救ってもらったこの礼は、今度こそコミュニティ“サラマンドラ”のある限り忘れない。」
「・・・あっそ。ならもう勝手にしろ。言いたいなら勝手に言えばいい。俺は何も聞いてないけどな。」

最終的に、一輝はそう言って顔をそらした。そんな様子にこれ以上は無理だと感じたのか、マンドラも見舞い
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