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魔法少女リリカルなのは ―全てを変えることができるなら―
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ている状態で全力疾走は体勢的に難しいということだ。
スバルはデバイスのひとつとしてローラーシューズを履いており、その力もあって地上ではバイクにも負けない速度を叩き出すことができる。
その速度で向かえば間違いなくゴールできるが、三人揃ってと言う当初の目的がかなわない。
――――朝我が常人の速度が限界であれば。
ゴールまでの移動で朝我は、公では語らないでいた『能力』を発動した。
「スバル、一気に駆け抜けるぞ!」
「うん!」
全速力でゴール地点まで駆け出したスバルに追い抜かれた朝我は大きく息を吸い、そして次の右踏み込みで能力を発動した。
「――――フリューゲル・ブリッツ!」
瞬間、朝我の足は翼を得た鳥のように軽く、大きく羽ばたくかのように力強く駆け出した。
同時に彼の移動速度は音速を超え、風を切るような音が後ろから追いかけてくるようにやってくる。
それだけの音速を、光速を超えた“神速の領域”に達した彼は、まるで瞬間移動でもしたかのようにゴール地点に到着した。
「――――ってことで、あとはスバルだな」
ふぅ、と立ち止まって一息つく朝我の後ろでおんぶされているティアナは疲れたようにため息を漏らす。
「相変わらず、アンタの“ソレ”って常識はずれよね」
呆れ口調のティアナに対して朝我は不敵に微笑み――――。
「ありえないことをするのが魔導師だろ?」
当たり前だと言わんばかりにそう答えた。
そんな二人を他所に遅れてゴールしたスバルは勢い止まらず壁へ激突――――しかけたところを魔力で形成したネットで受け止められ、九死に一生を得た。
「って、ブレーキのことくらい考えろよ…………」
「うぅ……ごめんなさーい」
呆れた様子で注意する朝我に、スバルは落ち込んだ様子で頭を下げた。
「……まぁ、とにかくこれで無事、三人揃って合格ってことで」
「スバルが最後にとちんなければ、無事って使っても良かったけどね」
「うぅ……ティ、ティアの意地悪ぅ!」
スバルの泣き言をオチに、三人は揃って笑いあった。
「三人とも、ギリギリだったけどゴールできたみたいで良かった」
空から聞こえる女性の声に三人は振り向いた。
白主体のBJを身に纏った空戦魔導師/高町 なのはがそこにいたからだ。
はやて、フェイトの二人と十年以上もの長い付き合いを持ち、若くして『エース・オブ・エース』とまで称される実力者。
スバルにとっての憧れのその人を目の前に、彼女は泣き出してしまう。
そんな姿に誰もが困り果てたような笑みを溢し、そして慰めに入るのだった。
こうして三人のBランク昇格試験は終了し、そしてい
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