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魔法少女リリカルなのは ―全てを変えることができるなら―
第一話
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がゴールに向かうと言うものだった。

「そんなことしたらティアが……」

 不安を漏らすスバルに対し、ティアナは敢えて冷たい態度を取った。

「あたしは一人でもどうにかなる。
邪魔なあんたがいなくてせいせいする、だからいいでしょ!」

「ティア……」

 それが無理をしていること、スバルと朝我はすぐに悟った。

 それだけ二人がティアナといる時間が長かったと言うことである。

 そして、だからこそ二人はどうにかして三人揃ってゴールするための策がないか考えた。

 残り時間を考えれば、考える時間はほとんどない。

 それでも自分達にできることを再び振り返り、現状を理解し、そして可能性を模索する。

「――――なら、俺が“やるしかない”だろ」

 考えた中で最初に答えを出したのは、朝我だった。

 そして彼の心中を察した二人は驚き、そして聞いた。

「で、でもアレは“トモ”が隠してるやつじゃ…………」

 スバルにそう聞かれたトモこと朝我 零は、苦笑から一点、真剣な表情になって二人を見つめた。

「俺の事情なんて、二人の夢に比べたら小さなものだ。
それに――――」

 そして朝我は清々しいまでの笑顔で――――。

「――――俺も合格するなら、二人と一緒がいいから」

 一点の曇も迷いもなく、そう言った。


*****


 建物を出て、ティアナは一人で道路を駆け出した。

 目標地点は向かいの建物の上層にいる大型スフィア。

 遠距離からのレーザー攻撃と高い防御性能を持ち、試験を受けた半数が攻略に失敗すると言う難所。

 その大型スフィアは、小型では狙えなかった距離にいるティアナを補足し、そしてすぐさま狙いを定めてレーザー光線を放った。

 回避できなかったティアナは直撃した――――かに思えた。

 別の岩陰から複数のティアナが現れて駆け出した。

 そう、これらは全て囮・偽物の存在。

 現代では『古い』と言われる魔法/幻術である。

 古いと言われることを逆手に取り、相手を油断・かく乱させることが狙いだ。

 ただし幻術には大量の魔力を消費するため、この囮が失敗すれば試験不合格に直結する。

 だからこそ、岩陰にひっそりと身を隠し、幻術に集中しながらもティアナは念話で二人に願った。

『二人とも、二度目はないんだから、きっちり決めなさい!』

「うん!」

「任せろ!」

 遠くで二人は頷き、そして行動を開始させた。

 スバルは建物の屋上から魔力で構成されたレール状の道/ウィングロードを形成し、大型スフィアのいる部屋へ一直線に向かった。

 スフィアはすぐさまターゲットをティアナからスバルへ変更、壁越しに
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