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魔法少女リリカルなのは ―全てを変えることができるなら―
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失われたデータに彼のことも含まれていた。
保護されたのが今から八年前で、傷だらけだった彼はそのまま病院へ搬送された。
どういう因果か、彼が入院した病院がたまたまフェイトとはやての親友/高町 なのはと同じ病院だった。
更に病室が隣だったこともあり、二人が知らない間になのはと朝我は交流していた。
そういうこともあってか、二人は今回の試験に朝我が来たことに何か運命めいたものを感じずにはいられなかった。
「さぁ、そろそろ始まるみたいやね」
「うん、楽しみ」
様々な想いを込めた眼差しで、二人は朝我 零の姿を見つめた――――。
*****
Bランク昇格試験の内容は、廃都市内に用意されたターゲットを破壊、そして指定のエリアへゴールすることである。
制限時間と破壊してはいけないダミーターゲット、妨害攻撃があると言う注意点を受けた三人は、気合に満ちた表情のまま、試験を開始させた。
試験開始直後、三人は別れてターゲットとなる『オートスフィア』の破壊に向かった。
スバルと朝我は建物内部に侵入して打撃、斬撃による破壊。
ティアナは建物の屋上から窓際にいるスフィアを狙い撃ちしていく。
すでに試験内容を大方理解し、それに向けた準備を整えてきた三人にとって“ここまで”は問題なかった。
特にアクシデントと呼べるような事態も起こらず、三人は当初予定していたよりも速いタイムで破壊に成功し、別エリアに存在するスフィアの撃破に向かった。
「このまま行けるといいね!」
肩を並べて走るスバルの明るい言葉に、ティアナは調子に乗らないようにと叱咤し、朝我は苦笑混じりに頷いた。
試験はここからなのは分かっているが、それでもこの三人で合格したいと、スバルは強く思っていた。
無論、それはティアナと朝我にとっても同じことなのだが――――。
次のエリアにある建物に侵入した三人を待ち構えていたのは、大量のスフィア達だった。
狭い建物の中を埋め尽くすかのようなその数から放たれる青いレーザー光線。
柱や壊れて落下した岩山を盾にして射撃するティアナ。
持ち前の機動力で回避、攻撃するスバルと朝我。
途中まではティアナの作戦通りにことが運んでいるかのように見えた。
――――その油断が、一つのアクシデントを生んだ。
倒しきれなかった一体のスフィアの攻撃を庇うためにティアナが右足を負傷、移動困難となってしまったのだ。
幸いにも骨折と言うほど酷くはないが、現状このままだと残りのスフィアを撃破、更にゴール地点まで向かうことが難しくなってしまった。
そこでティアナが提案したのが、残りスフィアの撃破後、スバルと朝我のみ
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