来訪者編
第30話 空中戦ね
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形』と、いきたいが中間に『纏衣の逃げ水』を挟む必要がある。相手から視えているときは、一瞬ながら本体と分身が同時に見えてしまうので、『纏衣の逃げ水』を必要とする。まあ、単純な幻術でもいいんだけど、影精霊を使った幻術はそこまで得意でないから、『纏衣の逃げ水』の方を多用する。初伝より中伝の方が楽っていうのも変だが、楽なものは楽なんだ。
そんなことはどうでもよくて、シリウスの背後にまわって、点穴術のひとつである『便秘解消』のツボに気を流し込む。相手は軍事用緩衝素材を着込んでいようが、気を扱えない限りは気を通しづらいというだけで、気を届かせることはできる。これで気が届いた場合には便秘解消のはずが『下痢』をひきおこす。
あわてて振り返ってきたので、分身を消して本体である僕をあらわせる。これで幻術か、知っていても『纒衣の逃げ水』までとしか大抵は気がつかれない。なんせ糸なので、始点がどこだか知らなければ不明だからだ。
こっちをにらみつける目はたいしたものだけど、おなかを抑えているようじゃ意味をなさない。接近戦で生理現象をおさえきれるか、それともおさえないというのもあるが、その時は身体が弛緩するので、隙ができる。かなりお下劣な術だが効果はある。
「おいかけないから、離れたトイレにでも行ってくれるかな」
シリウスがおなかの不調を治せるなら別だが、生体波動を観れる僕には、大腸がよく動いている様子が診える。
だまっているようにみえるが、姿がぶれてそのすきに幽体を持った本人は逃げ出したが、その本人にむかって
「犯罪人の引き渡し条約もあるからねぇ」
とは言ってみたが、ICPO魔法犯罪3課の言うこともとりあっていないようだから、本当に言っただけだ。こちらを視ているので『纒衣の逃げ水』に似た現代魔法が効かないとわからせていたところだが、逃げたのはトイレだけが問題じゃなかったようだ。パラサイトに逃げられて、放出系魔法の電撃にかろうじてしびれるだけで済んでいるエリカに、幹比古がエリカにかけよっているところで、達也がシルバー・ホーンをシリウスの居た位置に向けて、発散系魔法をつかいかけていた感じがある。
プシオンのサーチをしたところパラサイトには甲賀の忍者がついていっているからわかるけれど、速度差があるからあの見えづらいパラサイトに追いつくのは無理だろうなぁ。
それで、倒れているエリカの方に向かったが、一足先についたのは、達也だが
「大丈夫なようだな」
「ちょっと、しびれているだけよ」
「じゃあ、僕はここでお別れするから、また明日学校で」
「翔くん。どうしてここに? それと達也くんは?」
「えっと、アルバイトで『吸血鬼』の手の内を観察していただけで、その最中にエリカと幹比古に割り込まれたんだけど」
「な
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