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僕の周りには変わり種が多い
来訪者編
第29話 別な来訪者
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ンバーでは、幹比古、深雪、僕だけしか対応できない気がすると言っているから、達也にとっては不本意で、美月やほのかにとっては、怖い存在であることを強調してしまった。

「とりあえず、今のところ夜の外出を控えれば、大丈夫みたいだから、そうした方が良いと思う」

フォローはしたが、重い雰囲気はプラットフォームで別れるまで続いていた。



その翌日は、平日なのに久々に道場に寄ってから、帰ることにした。
大亜(ダイア)連合が、ちょっかいをかけてくるのをやめたので、まっすぐに家へと帰れるようになったのだが、今日は三高の名倉あかりとしてではなく、『魂眼』の名倉あかりとしてメールがとどいていた。電子精霊を経由させててだ。
彼女とのメールのやりとりは面倒だ。『魂眼』としてメールがきた時には、電子精霊にのせてくるは、特殊暗号化されたメールは、暗号化されたまま、それを電子データ的に破壊させて、それから情報端末のメモリはすべて破壊してしまわないといけないことになっている。だから新しいメモリはつねに持ち歩いていないといけないのと取り換えるのが面倒くさい。

自宅にメモリを破壊できるような設備はないので、円明流合気術の道場へ持っていき、このことを知っている師匠か一部の高弟にといっても、智之さんか高橋さん――じゃなくて結婚して不破と苗字を変えた不破香織さんに預けることになる。今回は、智之さんがステイツに行ってるから、新婚なのに可愛そうだとも思うが何もしてあげることはできないからな。

それで師匠には、

「裏賀茂の名倉あかりが『魂眼』としてメールを送ってきています。その中身は十師族の師族会議からの『吸血鬼借り』チームの組織を作るにあたっての通達と、『吸血鬼借り』チームが『吸血鬼』を見つける前に、追っかけているUSNA(ステイツ)の魔法師と『吸血鬼』と呼ばれているパラサイトの戦いを撮影してきてほしい、ってきているんですけど。しかも師匠宛にも連絡が行くようにしているそうです」

「できたら、その依頼は受けてほしいのだが」

「なんか、リユウカンフウの時と態度が正反対じゃありませんか?」

「まあ、そうなんだけどね。『魂眼』が絡むとややこしいことになるんだよ。ちなみに『魂眼』についてどれぐらい覚えているかね?」

「魂を直接視ることができる眼を持つ者。僕たちプシオンを中継して魂を見る、現代魔法に定義づけられた偽りではない、本物の霊能力者ぐらいですけど」

「そうだね。今の現代魔法ではプシオンが霊子といわれて、地縛霊を観れるものが霊能力者と定義づけられているから、基本はだいたいあっているけれど、あとは霊体を観れるというのが、僕らの間では一般的だろうね」

「そうですね。僕は霊体をなんとなくは感じられますが、観ることはできませんからね」


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