来訪者編
第29話 別な来訪者
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
トが魔法師に取り付いているという考え方もできるってところで、今は情報が足りないから、そういう可能性があるっていうぐらい。事態は最悪を考えておけ。事実は常にその斜め上に行くって、前世紀の冗談だけど、それぐらいの気持ちでいた方がいいと思うよ」
エリカがあきれたように
「あなたたち古式魔法を使えるのって、本当に秘密主義よね。ミキとは長いつきあいなのに、聞いたことなかったし、翔と三高の名倉あかりとの会話は、恋愛話のようにみせかけた暗語のやりとりだったなんて」
このタイミングでレオが入ってきて
「はよッス、何の話だ?」
「今日はずいぶん遅かったな」
「あー、チョッと野暮用で夜更かししちまって……それより、何の話してたんだ?」
「例の『吸血鬼事件』のことですよ」
美月の答えにレオは顔を顰めていたが、ちょうどその時、端末に一時限目開始のメッセージが表示されたので、その意味を考える間もなく席にもどることになった。
昼食時にはリーナが留学早々なのに休んだとか、ほのかからはステイツへ留学している雫との連絡で、ステイツでも『吸血鬼事件』がある。ただし、報道規制されているというのを聞いて、情報通の生徒がどうやって報道規制をかいくぐって情報を入手したのか、知りたかったが、表にはだせないだろう。ステイツの古式魔法の関係者かもしれないが、ステイツの古式魔法の関係者って、移民が多いのもあって、グループとしてまとまっていないから、師匠に聞いても無駄だろう。
深雪よりは話しやすいほのかの方へ向かって
「ところで1−Aでは吸血鬼事件は、どのような話になっているの?」
「ニュースの内容とあまりかわりないわよ。1−Eでは違うの?」
詳しい話は、幹比古にまかせた。2学期の定期試験の理論の順位は、幹比古が上だったからであって、多少やっかみ気分があったのかもしれない。
その2日後の朝、情報端末へエリカからのメールにレオが『吸血鬼』に襲われて、運び込まれたという内容が届いた。命には別状が無いのと、意識もあるということで、ちょっとばかり安心した。
学校の授業が終わり、警察病院へ向かったところエリカが待っていたのか1階のエレベータから、レオの病室まで案内された。そこには、レオの姉はいたが、一般人のようで、魔法師であるレオとそこまで仲はよくないのだろう。一般人の中に、魔法師がいるとよくあるケースと聞いている。そして、この部屋には盗聴器がしかけられている感じの電磁波を感じる。黙っているしかなかろう。
レオからは話の中で対戦した相手の特徴が語られた。
「フード付きコートに覆面、コートの下はハードタイプのボディアーマーで人相も身体つきも分からんかったよ。ただ……女だった、ような気がするんだよな」
その
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ