暁 〜小説投稿サイト〜
僕の周りには変わり種が多い
来訪者編
第28話 留学生来たりて
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
西暦2096年になって3学期初めの日のランチタイム。
学食で待っているのはいつも通りに1−Eの達也、レオ、幹比古、エリカ、美月に僕で、そこに1−Aから来たのは深雪とほのかに雫がUSNA(俗称はステイツ)へ留学する代わりにきた交換留学生。それは正月に達也たちと日枝(ひえ)神社の初詣へでかけた時に不自然な視線を投げかけてきた、深雪の横に並んでも見劣りしない美少女だった。その時、明らかに視線を交えていったので、プシオンを覚えているし、ものすごく奇抜なファッションだったのも印象的だ。レオ、幹比古、美月は見覚えがあるということだが、下手にさわると、スパイがどうのこうのと言いだしかねないので、言うのはやめることにした。

ランチのトレイを当然のような顔で達也の正面に置いたほのかが、隣に座った金髪の美少女の方に向きながら、

「達也さん、ご紹介しますね。アンジェリーナ=クドウ=シールズさん。もうお聞きのこととは思いますけど、今日からA組のクラスメイトになった留学生の方です。」

ほのかが、達也だけに紹介をしたので、他のメンバーにも再度紹介するというお笑いはあったが、アンジェリーナはリーナで、略称は無しというのもあり、こちらがわは各自の自己紹介からタツヤ、エリカ、ミヅキ、レオ、ミキ、ショウとして覚えられた。

ミキなのは「幹比古」の発音が「ミキ・ヒコ」に聞こえたのをエリカがいつもの調子で

「ミキで良いんじゃない」

「あら、そう? じゃあお言葉に甘えて、ミキ、で良いかしら?」

幹比古はその愛称を受け容れることになった。
もうひとつは、リーナは九島閣下の弟の孫ということがわかったぐらいか。



その週の土曜日の早朝。
11月から恒例になりだした、僕の『纏衣の人形』の分身と、達也の人殺しまがいの訓練。ただし、それも深雪が到着する寸前までの5分ほどだ。
いつものように、九重先生の横に本体である僕は座りながら、分身に達也と戦ってもらっている。勝てば、そのまま、自分のサイオン情報体と重ね合わせて、定着させることにより、自身の肉体的経験とできるし、負けても精神的なイメージトレーニングと同じだ。肉体の行動は、分身自身がおこなっているが、それが味わう痛みなどは、同じプシオン情報体をつかっているので、幻痛として本体である僕にも届く。

そんな中、僕は九重先生に質問をするのに、『火圏』の結界と内部から外部へは音が漏れない遮音結界を張る。これで達也がエレメンタル・サイトを使っても、中を覗くことはできない。

「九重先生。深雪さんが来るまで時間が少ないので、手短にお話させていただきます」

「なんだね?」

「達也は円明流合気術の裏を知っているのですか?」

「裏というと?」

「妖魔の再封印です」

「それね。教えてい
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ