暁 〜小説投稿サイト〜
僕の周りには変わり種が多い
来訪者編
第28話 留学生来たりて
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している。この兄妹と一緒にいると、異常な兄妹愛をみせつけられるからなぁ。



新学期が始まってからの1週間後の放課後。
とある理由から実習室でリーナと向き合う格好で、教育用CADの前に立っている。

「ショウ。行くわよ」

「カウントは任せるよ」

「スリー、ツー、ワン」

それに続いて僕はリーナと同じタイミングで

「ゴー!」

と言って、据え置き型CADのパネルインターフェイスの上にかざした指をパネルに触れさせた。僕のやり方は、汎用方CAD操作を指で行なうからだが、リーナは汎用型CADの使い方ではないな。

リーナと僕の間にある金属球でサイオン光はほどほどの光量を放ったが、結果として金属球はリーナの方へと転がっていた。
リーナは信じられないというように、横に首をふりながら

「私の方がスピードはわずかに負けていました。しかし、サイオン量も干渉力も多いはずなのに、なぜ勝てないのですか?」

たしかに1回目なら勘違いというのもあるだろうが、これで続けての2回目だ。

「術式解体『グラム・デモリッション』もどきで、魔法式をふっとばしているからだよ」

「それなら、ショウの移動魔法も発動しないというより、この起動式でなぜ術式解体『グラム・デモリッション』を発動できるのですか?」

この実習室にいるのは、新旧の生徒会役員と風紀委員長たちだ。そして中2階の座席には1−Eのいつものメンバーや、クラスメイトばかりでなく、上級生たちもきている。サイオンを検出させないで、能力を発揮できることを知っている者からみれば、マルチキャストを行なったのではないかとの疑いもでてくるわけだ。リーナの速度に合わせてマルチキャストが出来るという風に考えるのは、トップクラスのメンバーにはもちろんいないのだが。

こうなったのはランチタイムに深雪とリーナの今日の実習での話しとなり、深雪が2勝差でかろうじて勝ち越しているという話に、その深雪に勝ち越している僕の話を、ほのかがしてしまったからだ。リーナに対してスパイ疑惑をもっているなんてことを、匂わせていなかったのが、逆にあだとなってしまった。

この場にいる深雪は、最初に術式解体『グラム・デモリッション』のもどきを使った時にいたのと、少し話しているから知っているが、われ関せずと淑女の微笑みをたたえているし、そこで「面白いものを見せてもらったわ」と言っていた七草先輩は、小悪魔的な笑いを浮かべているし、ほのかはこの魔法をまともに知らないし、助けてくれそうなメンバーはいないので、話すことにした。

「なぜできるかというと話が長くなるので、実演しながら話していくね」

「いいわよ」

リーナがまず返事をして、それに反対する声もないので僕はまず人差し指の先から少し離れたところに
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