第四十五話
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。世話になって、一生を賭けてでも恩返ししていきたいと思ってる人にだけは、敬語を使ったりするんだけどな」
そうだ、あの人にも挨拶しに行かないとなぁ・・・鬼道だったころの知り合いだから、俺は死んだと思ってるだろうし。関わらない方がお互いにとっていいのかは分からないけど、俺としては何があっても恩を返したいし。何かあったなら、頼ってほしい。さすがに組同士の抗争に使われるのは勘弁だけど。
うん・・・よし、この呪校戦が終わったらおやっさんに会いに行こう。広島まで行って、やくざの下っ端どもが邪魔をしてくるのを押しのけて、って作業が面倒ではあるけど、それくらいは我慢して。
「まあそういうわけだから、これを不快だと感じるなら伊空に言って他の人に変えてもらえ」
「それについては気にしていませんよ。そんなどうでもいいことは気にしませんし、問題は腕が立つかどうかだけですから」
超冷静そうな口調でここまで話すと、その先輩は表情を一切変えないでメガネを押し上げて、ようやくほんの小さな笑みを見せてくれた。なんだこの人、弄り倒したら超面白そうだぞ。が、まあそんな時間はないのでやめておく。
「では改めて。結城 優奈です。家や奥義については話したほうがよろしいでしょうか?」
「あー、いや。問題ない。その苗字である以上あれの子孫だろうし」
「説明の手間が省けました。感謝します」
あの一回を除いて表情が変わってないぞこの人。表情に乏しいのは匁もなんだけど、なんでだろうか。匁は弄ろうと思わないのにこの人は本気で弄りたくなる。性別も両方女だし・・・実力の差だろうか?それとも、直感的な何か?
・・・ま、どうせ考えても分かんないんだし、いいか。
「で、何か知っておいた方がいいことはあるか?」
「そうですね。強いてあげるのなら、弓とそれに並列した呪術を使うのですが、その呪術の部分が疎かになりがちです」
「ん、了解。なら弓使いながらでも使いやすいように簡略化とか?」
「それで。奥義も弓関連ですし、これから先にも役立ちそうですから」
それを聞いてから、一度箸を止めて全員に配った札を渡すように言う。万が一の時のための切り札だし、弓を使いながら使えないと何の意味もない。そういうわけで渡してもらった札を見て思い出した。そうだ、この人あれだ。弓の撃ち方に癖がある人だ。
だとすると、あれをこうして・・・うん、面白くなってきそう。
「じゃあ、次は僕かな。僕は藤原 鋭多。継承した奥義はまあ家的にはちょっと異質な感じだけど、名は体を表すってことで」
「藤原、ねえ・・・もしかしなくても、あんたら親戚?」
「うん、そうなんだ。ついでに言うと、家が決めた許嫁だったりもする
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