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戦国異伝
第百九十九話 川中島での対峙その十二
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てきた」
 怨念、それそのものの言葉だった。まさに闇の中に響く。
「そしてそれが遂にじゃ」
「成就する時が来ておるからこそ」
「それがしも動きまする」
「そうせよ、よいな」
「はい、時が来れば」
 あくまでその時はというのだ、そしてだった。
 そうした話をしてだった、影は闇、夜のそれではなく闇の中に消え去った。その気配が消えるのと見届けてからだった。
 松永も何処かへと消え去った、幸村達も既におらず彼の話を聞いた者は誰一人としていなかった。そのうえで信長と謙信の戦の幕が開くのだった。


第百九十九話   完


                          2014・9・24
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