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ドリトル先生と学園の動物達
第九幕その八

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「どうでした、王子のお家は」
「多分何もなかったと思うけれど」
「お茶を飲んでお喋りした位だよね」
「別jに変わったことはなかったわよね」
「皆の虫歯のこととかも」
「うん、虫歯のこともお話したけれど」
 それでもだというのです。
「特にね」
「別にですね」
「何もなかったんだよね」
「事件のことでの進展は」
「そういうことは全くなかったよ」
 本当に何一つとして、とお話する先生でした。
「別にね」
「それじゃあ御飯は」
「お茶を飲んだだけだよ」
 先生はトミーのこの問いに笑顔で答えました。
「お菓子を少しもらったけれど」
「そうですか」
「お饅頭をね」
 それをご馳走になったというのです。
「二つね」
「じゃあ晩御飯も」
「大丈夫だよ」
 食べられるというのです。
「そちらもね」
「そうですか、じゃあ今日の晩御飯は」
 トミーは先生に笑顔で、です。この日の晩御飯のメニューが何かとお話しました。
「スパゲティですよ」
「あっ、そうなんだ」
「イカ墨の」
「そうそう、王子ともお話したんだよ」
「イカ墨のスパゲティのことをですか」
「うん、そぷだったんだよ」
「それはまた奇遇ですね」
 王子も先生のお話を聞いて笑顔になって返しました。
「何にしようかって思いまして」
「それでなんだ」
「はい、スパゲティで」
「しかもイカ墨だね」
「オリーブオイルと大蒜、それに唐辛子で味付けをして」
 そして、というのです。
「烏賊の切り身やトマト。オニオンも細かく切って入れます」
「随分豪勢だね」
「いや、日本だと普通ですよ」
 そうした調理の仕方はというのです。
「あと粉チーズも忘れていません」
「ううん、すっかり日本になっているね」
「そうですね、僕もイギリスにいた時は」
「そこまでお料理に凝っていなかったね」
「そうでした、全然」
 それが随分変わったというのです、トミーもまた。
「スパゲティも茹でて。市販のおソースをかけて」
「それで終わりだったね」
「それ以上は」
 とてもだったというのです。
「考えられませんでした」
「イギリスは本当にそこはだね」
「日本程じゃないですね」
「スパゲティだけじゃなくてね」
「茹で方もね」
 それ一つを取ってもです。
「アルデンテも」
「勿論茹で方にも気をつけています」
 トミーもなのでした、このことは。
「ちゃんと」
「アルデンテだね」
「それを意識していきますので」
「では何かと頼むよ」
「はい、お任せ下さい」
 笑顔で応えるトミーでした、そしてです。
 真っ黒のスパゲティ、パスタだけでなく烏賊もトマトも何もかもがそうなっているスパゲティの上に粉チーズをかけてです、先生は笑顔で言いました。
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