暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
想起
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 もう何も言えなくなる。目の前の少年にも妹がいたことは本人の話から聞いている。とても大切に思っているということも。しかし、今の言葉が出るということはもうその子は・・・。自分より若そうなこの子が一体、どれだけ辛い思いをしてきたのだろうか。
 この子は守るべき存在を失った。けど自分にはまだそれがある。そう思うと、無性に妹の顔が見たくなった。あの眩しいくらいの笑顔にもう一度触れたくなった。

「・・・はあ、何弱弱しい顔をしてんのよ。さっきまでの勇敢さが嘘みたいじゃない。」
「ほっとけ。それで?」
「ええ、分かったわ。もう一度あの子のところに帰ってみるわ。こんな盗賊なんて汚れたことをした私を受け入れてくれるかどうかわからないけど・・・。」
「やり方は間違っていたのかもしれない。けど、その気持ちは間違ってないんだろ。」
「ふふ。結局唯のお人好しなんじゃない。」

 そうして、どこかすっきりとした顔をしてロングビルは去ろうとした。しかし、「あっ!?」と、何か思い出したかのように架の方を振り返った。

「あ、あの、その、さ、最後にお願いがあるんだけど・・・。」
「? 何だ?」
「あ、あの方によ、よろしく言っておいてくれないかい?」

 顔を赤くしてモジモジしながら頼み込むロングビル。その姿はまるで・・・。
 あの方?オールド・オスマンか?でもそれにしては様子が・・・、と架が考えていると後方から人がやってくる気配がした。

「カケル〜?どこにいるの〜?」
 振り返ると、ルイズたちがやってきていた。どうやらみんなフーケを見つけられなかったため、合流しようとしてたらしい。

「あ、いた!カケル、フーケは見つかったの?」
「ん、いや見つからないな。」

 チラリと後ろに目をやるが、彼女の姿は跡形もなく消えていた。彼女は本当にちゃんと妹のところへ帰るのだろうか。だが、架にはもうどちらでも良い話であった。

「もうこの辺りにはいないのかもしれん。破壊の杖は戻ったことだし、学院に戻ろう。」
「ん〜、そうね。またゴーレムに出てこられても嫌だし。」

 ルイズの言葉にキュルケもタバサも異論はないらしく、くるりともと来た道を戻り始めた。
 架も後に続こうと歩き始めたところで・・・

「(デル、さっきのことは言うなよ。)」
「(分かってるさ。)ところでよう相棒、そろそろ限界なんじゃねえか?」
「・・・・・ああ、そう、みたいだ。」


 フラッ、    ドサッ


 バタリとその場で倒れた。どうやら本格的に魔力切れらしい。

「えっ!?ちょ、ちょっとカケル!?」

 久しぶりだったからなあ、まともな戦いなんて。せめて学院までは持ち堪えたかったけど、こんなんでこの先大丈夫か、俺?
 そんな自嘲的なことを考え
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