暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
想起
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を突き飛ばした。「キャッ!」と声を上げながらルイズが地面を転がっていくのを確認しながら自分も回避のため跳躍するが、ここでゴーレムの拳が振り下ろされた。

「ぐうっっ!」

 直撃は避けられたものの、ほぼゼロ距離で衝撃を受け無造作に地面に投げ出される。

「ぐっ・・・!ああっ・・・!」
「カケルッ!!」

 遠くからルイズの声が聞こえたことで、彼女の無事を確認し安堵する。しかしこちらは最悪だ。頭を強く打ったようだ。
 ゴーレムは動けない架を標的に定めたようだ。今度こそ仕留めんとこちらにゆっくりと近づいてくる。

「相棒!立て!死んじまうぞ!」
「カケルから離れなさいっ!」
「させない!」

 デルフリンガーが架を叱咤し、上空からシルフィードに乗ったキュルケとタバサが魔法で迎撃するが、やはりゴーレムはビクともせず確実に架に近づく。
 ちっ・・・!と架が覚悟を決めようとしたその時、

 ザッ

 すく近くで地を踏みしめる音が聞こえた。薄く目を開けて見てみるとそこには

「・・・・・ルイズ?」
「嬢ちゃん!?さっさと逃げな!」
「ルイズ!あなたまで死んじゃうわ!」

「使い魔を見捨てるメイジはメイジじゃないわ!!」

 ルイズがいた。架が突き飛ばしたせいで髪は乱れ、服は砂埃で汚れてしまっているが、それでも懸命に架を守ろうとしている。
 ゴーレムはそれでもお構いなしにトドメとばかりに腕を振り上げた。


――――――ピ


「あ・・・」

 その光景が『あの時』と重なった瞬間、


――――――ピシッ


「あ、あああ・・・!」

 架の中に眠っていた、


――――――ピシピシッ!


「ッッッッッッッ!!!」


 心の封印が、解かれた


――――――ビキィィ!!





 一人の男がいた。男がいるのはどこかの建物の地下。
 
 目の前には黒装束の男たち。その内の一人は拳銃をこちらに向けていた。

 そして、男の足もとには・・・


 男より少し年下の女性が倒れていた。

 男は呆然とその女性を眺めていた。そして崩れ落ちるように屈むと女性を抱き起こす。

 女性の肩からは血がとめどなく流れていた。目の前の男の銃によるものだろう。

 女性は苦しそうに目を開けた。しかしそれでも笑った顔を作り男に話かける。

――――――ほら・・・わたしも、まもれたでしょ・・・。

――――――ずっと、おもってた。ずっと、まもられてきたように・・・

――――――わたしも、おにいちゃんをまもりたいって・・・

――――――・・・・・よかった。

 そして女性は再び目を閉じ、ぐったりと動かなくなった。

 
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